GUITARHYTHM V 全曲解説


 まず言えるのが、ここ10数年の「こわもてアニキ」キャラ・キッズ向けパワーロック路線を完全に捨てて、本来の中性的ポップアーティスト、ニューウェーヴ・ギタリスト布袋寅泰に戻り、かつ進化したということ(03年「DOBERMAN」にその兆しはあった)。

 全体として、クラフトワークをバックにギターを弾いていた布袋ならではの“間”がいい「リズム」、そして「リズムを刻むためにギターをやっている」と言うだけある、“鳴っていないときがカッケエ”「ギターのカッティング」、レノン&マッカートニー、ディフォード&ティルブルックも舌を巻くに違いない「歌のメロディライン」、あらゆる音楽を聞き込んできた人間ならではの秀逸な「アレンジ」、空間処理能力の極めて高い、“コンセプター”布袋の面目躍如たる、曲自体とアルバム全体の「構成」、がすげえいいアルバムとなっている。ボーカルも抑えめで、演歌調だったソロ時代からギタリズム時代に戻った。全曲にわたって参加している様々なゲストの存在が、アルバム全体をカラフルにしているのは言わずもがな、バンド的相乗効果による思いがけない化学反応を起こしているという事も押さえておきたい。


01 GUITARHYTHM RETURNS
15年ぶりということで幕開けは当然の助動詞、「GUITARHYTHM」。今回の「GUITARHYTHM」は得意のギター・オーケストレーションで、スローでエッジの鋭いカッティングがいい。

02 INTRO~Welcome to G.V~
『ダイアモンド・ドッグス』を思わせるナレーション。M1から続く構成がいい。ロックンロールだけが決してぶれる事ない鉄板軸という。

03 DECALOGUE
実質的1曲目。最高傑作。ドラムとギター、ライム最高。リズム、テンポがいい。

04 SCIENCE KILLED THE FUTURE
「ラジオスターの悲劇」的ナンバー。「BE MY BABY」の“Be My Baby〜”に次ぐ、タイムボカン的ライムのリフレイン、とんちが利いていてすげえいい。メロディにアクセントをつけている“Uh, Hu”というハイトーンがいい。メロディがいい。

05 SUNSHINE OF YOUR LOVE
まさかのクリーム。このデジタル感、実はいい。

06 風の銀河へ
コブクロ小渕健太郎との共作。コブクロは全く聴いた事がなく見かけだけで嫌っていたが、小渕は布袋ギターの模様を見なくても書ける布袋ファンだった。コーラスの「wo,o,oh」は布袋節。イントロのリフもいい。全体のメロディもすごくポップでいい。サビのデンデデ、デンデデが布袋節。

07 TiC TaC
RIP SLYMEのフミヤとの共作。RIP SLYMEも全く聴いた事がなく見かけだけで嫌っていたが、この曲での活躍ぶりはいい。「シャララララ」がいい。

08 VICIOUS BEAT CLASHERS
大沢伸一との共作。気違いさがいい。ケミカルブラザースより先にああいうダンス/クラブミュージックをやっていた布袋ならでは。

09 OPUS
「GUITAR LOVES YOU」を彷彿させるギターインスト。芸域広し。

10 BEAUTIFUL MONSTERS
名曲。ボーカルのLOVEは初見(聴)だったが、いい。メロディがすげえいい。布袋の押さえたボーカルもいい。メロディがいい「歌」を作れるのが布袋のすげえところ。

11 アストロノーツ
宇宙飛行士が宇宙で自殺をはかる、という設定がこええ。

12 PSYCHO DISCO
福富幸宏との共作。最高のダンスナンバー。大音量で聴いていたい。

13 COSMIC PIRATES
福富幸宏との共作。SANDIIがボーカルで参加。これもリズムとライムがいい。

14 天空のDIVA
オペラ歌手の中丸三千繪がボーカル。東大寺での「Strange Voice」競演がすげえ良かったし、布袋の芸域の広さ、すげえ。

15 APPLES
PERSONZのJILLコーラス。根がロックな女はすげえ。メロディとアレンジ、構成がいい。

16 NO TURNING BACK
The Threeに続きクレバとの共作。ゆったりとしたリズム、リフがいい。やはりまた「Wo,o,oh」がいい。

17 OUTRO~To be continued~
過度に感動的にしない、次が最高傑作と言わんばかりの終わり方がいい。

by ichiro_ishikawa | 2009-02-21 15:36 | 音楽 | Comments(1)  

Commented by case at 2009-02-25 01:47 x
早くCD貸してくだされ。
「I」からね。
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