池田晶子新刊3冊の感想


 池田晶子の新刊3冊「魂とは何か」「私とは何か」「死とは何か」を読んだ。単行本未収録原稿がたくさんあって良かったが、まあ、言っていることは、いつも同じだ。
 「死とは何か」には、直筆の原稿が載っていた。終生、コクヨの原稿用紙に100円ボールペンで、手ぶらで原稿を書き続けたらしい。当の文字は、一読では判読不能な殴り書き。それでもいつもより丁寧に書いたのだという。思考に筆が追いつかないのだろうか。
 「私とは何か」には、小6時の作文が載っている。天才としか言いようがない。
この作文がなくても十分天才なのだけれど、やはり尋常じゃない哲学的直観力が備わっている。
池田晶子の父親は朝日新聞社の元編集委員で、記者上がりとはいえ学者肌のインテリだったらしく、かなりの蔵書があり、池田晶子は幼少時分からそれらに親しんでいたという。そうした血統、環境の影響も多分にあろう。
 俺の家には、蔵書なぞなかった。本どころか、レコードとか文化的なものが何もなかった。雑誌はかろうじて「きょうの料理」があったぐらいで、基本的に、掃除機とか炊飯器とか鍋といった生活グッズと、メシ以外の物質は何もなかった。あの親たちには趣味がなかったのか…。
 ただ、愛だけがあった。だから、俺は、愛こそがすべて、という人間なった。

by ichiro_ishikawa | 2009-04-14 06:15 | 文学 | Comments(0)  

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