ミッドナイト論考「俺が決めている事」


 日本人はえてして他者との比較でしか自己を語り得ないというか、常に人を気にしてばかりいる、とは庶民は言わずもがな、殊に政治、外交の場で顕著な事実だが、カッコよろしくない。時流に合わせたり、人のいいところを取り入れる術には長けているが、一人で充足することができない。右顧左眄して、きょろきょろきょろきょろ。
 俺は世間や流行がどう動こうと、揺るぎないものを貫き通す。時流が己に来ていない時はじっと待てるタフさを持つ。他との比較で上がったり下がったりする偽の価値でなく、それ自体がすでに価値、というものをしかと射抜き、見据え、持つ。
 例えば、風向きが合わない為にずっと孤独で、いわゆる負け組で居続けようと、信念で、てめえであり続ける。それは頑固一徹、わがまま、独善、これが俺だからといった思考放棄の開き直りではなく、「いわゆる自分」などを信じないてめえ、機に応じて変じて過たないてめえ、が、その地平で初めて手にする覚悟を、貫くことだ。そうであれば、いつか風は向く。何より、向こうが向くまいが、構わない。

by ichiro_ishikawa | 2009-12-17 03:38 | 文学 | Comments(0)  

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