年末恒例「2009年ヒット商品ベスト5」



この季節になると、テレビや雑誌や街中で、今年の年間ベストの類が世を賑わせるが、ここでは、モノホンを欲する人のために、今年、本質的に優れていたものは何だったのかを知ることができるジャンル別ベスト5を並べた。とはいえ、俺は音楽評論家でも文芸批評家でも、レコードコレクターでも読書家でもなく、ジャスト・ア・ジェラス・ガイなので、聴いたり読んだりしている世界がきわめて狭い。聴いたり読んだりしなくても何がダメで何がいいかはあらかた分かる眼力を持つが、他にいいものを取りこぼしているものがたくさんあるだろうことは否めないし否まない。もしそういうものがあったらコメント欄に記入するがよい。


[CD 再発]
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1. Kulu Se Mama [Original recording remastered] / John Coltrane (1965)
2. Love Supreme [Deluxe Edition] / John Coltrane (1960)
3. Moving Out [Limited Edition] / Sonny Rollins (1954)

再発は上記だけだが、1枚1000円以内の旧譜をしこたま購入して聴き倒していた。コルトレーン、ロリンズ、ケニー・バレル、ウエス・モンゴメリーといったサックスやギターが乗ったストレートアヘッドな4ビートのジャズをこよなく好む傾向にあることが分かったが、そういう類ではない1位の「Kulu Se Mama」はリズムと音質と雰囲気がすこぶるいい。


[CD 新譜]
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1. The Eternal / Sonic Youth [Limited Edition]
2. Already Free / The Derek Trucks Band
3. The Bright Mississippi / Allen Toussaint
4. Secret, Profane & Sugarcane / Elvis Costello
5.Years of Refusal / Morrissey
6. No Line on the Horizon / U2

ソニック・ユース、デレク・トラックスが上位。コステロ、トゥーサンはいまいち。モリッシーとU2もピンとこなかった。


[既刊本]
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1. 『カミュの手帖〈第1〉太陽の讃歌 (1962年)』 アルベール・カミュ
2. 『創造者』 J.L. ボルヘス (岩波文庫)
3. 『続審問』 J.L. ボルヘス (岩波文庫)
4. 『伝奇集』 J.L. ボルヘス (岩波文庫)
5. 『負けない技術──20年間無敗、伝説の雀鬼の「逆境突破力」』 桜井 章一 (講談社プラスアルファ新書)
6. 『日本語の歴史』 山口 仲美 (岩波新書)
7. 『翻訳と日本の近代』 丸山 眞男、加藤 周一 (岩波新書)

ボルヘスを発見した1年だった(いまさら?)。小林秀雄賞の水村美苗ショック&環境の変化で、日本語関連の書籍に多くあたった。


[新刊本(近年)]
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1. 『死とは何か さて死んだのは誰なのか』 池田晶子
2. 『魂とは何か さて死んだのは誰なのか』 池田晶子
3. 『私とは何か さて死んだのは誰なのか』 池田晶子
4. 『日本語が亡びるとき―英語の世紀の中で』 水村 美苗
5. 『終の住処』 磯崎 憲一郎
6. 『生きて、語り伝える』 ガブリエル・ガルシア=マルケス
7. 『本格小説〈上・下〉』 水村 美苗 (新潮文庫)
8. 『夜想曲集:音楽と夕暮れをめぐる五つの物語』 カズオ・イシグロ
9. 『リリー・フランキーの人生相談』 リリー・フランキー
10. 『ヘヴン』 川上 未映子
11. 『200CDピーター・バラカン選ブラックミュージック』 ピーター・バラカン
12. 『ピーター・バラカンのわが青春のサウンドトラック』 ピーター・バラカン
13. 『世界クッキー』 川上 未映子
14. 『日本辺境論』 内田 樹 (新潮新書)
15. 『最も危険な名作案内~あなたの成熟を問う34冊の嗜み~』 福田 和也 (ワニブックスPLUS新書)
16. 『人間の器量』 福田 和也 (新潮新書)
17. 『ロックで独立する方法』 忌野清志郎
18. 『日本人の戦争 作家の日記を読む』ドナルド・キーン
19. 『ジャズの歴史物語』 油井正一
20. 『教養としての歴史 日本の近代〈下〉』 福田 和也 (新潮新書)
21. 『日本国怪物列伝』 福田 和也
22. 『白川静 漢字の世界観』 松岡 正剛 (平凡社新書)
23. 『線』 古処 誠二

小林秀雄賞の 『日本語が亡びるとき―英語の世紀の中で』 はすげえいい。だが、池田晶子が出てしまってはしょうがない。川上未映子のポップフィールドを意識した意欲作は、なかなかいいが、こんなもんじゃないはず。ピーター・バラカンのブラック・ミュージックはソウル以外の辺境地の音楽が中心で、リズムがいいCDがずらりと並ぶ。同書を引っ提げてのDJ講演も良かった。相変わらず多作の福田和也は、質が平均して高い。『ジャズの歴史物語』 は名著の復刻。辞書的にいい。 『日本辺境論』の内田樹は小林秀雄賞作家。前書きでの言い訳がしつこいが、中身はすごく面白い。清志郎の本は、「クイック・ジャパン」の連載をまとめたもの。「自分の腕ひとつで食っていこうという人間がそう簡単に反省しちゃいけない」という発言がいい。清志郎は言葉に敏感な人だから、いちいち文体や言葉遣いがいい。リリー・フランキーは、ディック・ミネや岡本太郎、吉本隆明、遠藤周作、開高健らが歴代担当者に名を連ねる週刊プレイボーイの名物シリーズ「人生相談」の単行本化。悩みを持つ人に直接会って話をするという初の試みで、相変わらず鋭く深い洞察を連発している。磯崎、カズオらに関してはここを参照。


[映画]
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1. グラン・トリノ
2. エグザイル/絆
3. スラムドッグ・ミリオネア
4. NOISE
4. アンヴィル!
5. キャデラック・レコード
6. パイレーツ・ロック
7. アイム・ノット・ゼア
8. シャイン・ア・ライト
9. 007慰めの報酬
10. 2012
11. 沈まぬ太陽

映画に関しては門外漢なので本質を射抜いてはおらず、上記は完璧に趣味と偶然の結果に過ぎないことをまず言わん。「グラン・トリノ」はイーストウッド好き、「エグザイル/絆」は香港映画好き、「NOISE」「アンヴィル!」「キャデラック・レコード」「パイレーツ・ロック」「アイム・ノット・ゼア」「シャイン・ア・ライト」は音楽好き、「007」は007好きが高じてのもの。「2012」「沈まぬ太陽」は付き合いで観た。意外と楽しめた。この手のものはテレビと同じで、見たら見たでそこそこ楽しめる。まあ娯楽だな。得るものはない。と言い切ってしまうのが俺が人から嫌われる所以。



by ichiro_ishikawa | 2009-12-17 18:15 | 文学 | Comments(0)  

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