メモ「小説を読むとは」


 福田和也が、ヘーゲルを引用しつつ、いい事を書いていたので、抜粋的に再構成。

 経験とは、自分の真実を失う事。つまり、これが自分なんだという自認と足場が崩壊し、自己が自己として、自分に対して持っていた信頼感なりあてにしていた気持ちが雲散霧消してしまう事。それは自分の、つまりは不特定のエゴの視点と視界から見てきた事の崩壊に他ならない。
 成熟をするとは様々な経験を積んでいく事だとすれば、その自分の真実の崩壊後になお、自分の姿を見つめて生きていこうと努力をするという事だ。
 小説は、様々な「自分の真実」の喪失を、つまりは成熟への入り口を描いている。
 書物の名前を値するもの、それを真剣に読む者は、まず失う。同時に、世界が自分が、その本を開く前と違って見える。

by ichiro_ishikawa | 2009-12-31 00:46 | 文学 | Comments(0)  

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