感想「天の夕顔 」


 つれづれと空ぞ見らるる思ふ人天くだり来むものならなくに(和泉式部)
 わすれじの行末までは難ければ今日を限りの命ともがな(高内侍)
 今はただしひて忘るるいにしへを思ひ出でよと澄める月かな(建礼門院右京大夫)
 夢さめむ後の世までの思ひ出に語るばかりも澄める月かな(藤原俊成)

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「天の夕顔 」中河 与一

濃厚執拗な恋愛が毅然と、かつ慎みをもって描き出される。
哀れな男の狂熱の誤謬に似た生涯を俺は笑うはずもなし。

by ichiro_ishikawa | 2010-01-06 01:01 | 文学 | Comments(0)  

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