エセー「LAZY BONES」


 昨年までは仕事柄、アジア経済圏構想だ、クラウドコンピューティングだ、診療報酬改定だ、8割経済だ、ジョブレス・リカバリーだ、デフレスパイラルだ、新興国市場だ、原油・商品価格高騰だ、産業空洞化だ、グリーン・イノベーションだ、コモディティ化だ、とビジネスソルジャーとして24時間世界中を飛び回っていて、購読紙はヘラルドトリビューンと日経、読む雑誌も東洋経済や日経ビジネス、週刊赤いダイヤモンド、書籍も実用書や経済専門書ばかりだったが、ここのところは文学熱があがっている。
 当時は、目先の為替や物価を逐一分析し毎日のように市場経済の展望をレポートする義務があったため、文学が示す真理の世界、つまり現実を、しかと見据える時間が取れないでいた。ファンタジーの世界の動向に常に気を配っていなければならなかったのだ。今はいい意味でいつ死んでもいい身なので、地に足をつけて現実の世界にどっぷり浸れるという寸法だ。
 イタリアの片田舎に居を移し、僧院に住んでいるわけだが、柔らかい陽光と小鳥のさえずりで目を覚まし、カフェラテを飲んで散歩して読書して音楽を聴いて寝る。たまに葡萄摘みと日本語教師の仕事をする。これはもしかしたら悠々自適、泰然自若、贅沢な生活なのかもしれない。

Lazy bones, dozin' through the day
How you 'spect to make a dime that way?
Never make a dime that way
Never heard a word I say

by ichiro_ishikawa | 2010-01-14 22:33 | 日々の泡 | Comments(0)  

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