名演「エクリプソ」

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「エクリプソ」トミー・フラナガン

 ちょっとフォン・ツェイ・ファン(馮淬帆)似のジャズ・ピアニスト、トミー・フラナガン、1977年のトリオ作。フラナガンでは、名盤『オーヴァー・シーズ』がずっとマイ・ヘビーローテーションだったが、最近知った本作品がその座を奪った。
 私はベーシストなので、ベースだけを聴いてしまう癖があるが、ここでのジョージ・ムラーツのベース、すげえいい。エルヴィン・ジョーンズのドラムもすげえいい。蛇足だがタイトルもいい。グレイトフル・デッドの「アオクソモクソア」的な良さ。
 ジャズは門外漢なので、音自体に対しては「いい」、としかいつも言えないのが歯がゆいが、いやジャズに限らずいつも「いい」以外のことは言えていないが、これは、いい。

 音楽とか映画といった言葉を使用しない(言葉だけではない)ものについては、言葉では「いい」としか言えず、他に言えることがあるとしたら、それは、「私が」いいと感じるに至った経緯やら、その次の心持や新たな動きを綴らざるを得ず、要は「私史」を書くことになり、それは油断すると単なる「オレオレ日誌」になってしまうので、いきおい慎重になるのだ。というか臆病になる。そうではない、読むに耐えうるもうひとつの文学を創造するための「無私」に行き着くのは大変なのだ。まあ、甘いのだ。「いい」という一言こそ最高の批評、なんてことを思っているわけでは毛頭なく、ただ逃げているだけだ。このテーマについてはまたの機会に書きたい。

by ichiro_ishikawa | 2010-02-04 02:19 | 音楽 | Comments(0)  

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