特集「芸術新潮が万葉集」


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 今年のはじめの雪降る夜、帰路途中で別れた俺の肩に小雪がパラ積もる後ろ姿を見た友人が、ハッと思い浮かんだという歌が、万葉集の最後を飾る大伴家持のこの歌だ。

  新しき年の始めの初春の今日降る雪のいや重け吉事

「重け」は「しけ」、「吉事」は「よごと」と読む。意味はまさに読んで字のごとし。
 新たな年の始めである今日という日の雪がつもるように、今年も良いことが重なるといいのに、という読みでいいはず。その友人は、その歌を俺に投げかけたという。
 万葉の和歌なり、そうした古人の想いが、今、新たにされる。古典の理想的な読まれ方だ。
 ただ歩いていただけで、それにひと役買う俺、38歳。いっそセレナーデ。

by ichiro_ishikawa | 2010-03-26 00:39 | 文学 | Comments(0)  

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