エセー「ブタ野郎と俺」


 印象派の絵画展が日本に来たとき観に行った絵画通の小林秀雄の妹が、その人ごみに閉口して、ろくすっぽ分からないのに話題というだけで集まる日本人のミーハー心を憂いていた。すると小林秀雄は、そんな事言ってもつまらないじゃないか、日本人というのは好奇心が旺盛でバイタリティがある、と考えたほうが余程健康的だ、とたしなめた、というエピソードは俺には印象的で、嫌悪という感情は不毛、侮蔑の行く先は袋小路との言葉とともに、小林の批評の要諦を見るのだが、現代の俺はというと、全日本人の95%を、特に根拠もなく直感で、ブタ野郎扱いしている。

by ichiro_ishikawa | 2010-04-15 20:20 | 日々の泡 | Comments(0)  

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