山下達郎談

 朝日新聞の求人欄コラムのインタビュー如きで、山下達郎が本質的ないい事を言っていた。
 (2011年8月7日付
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 新人バンドなどがよく説得される言葉が「今だけ、ちょっと妥協しろよ」「売れたら好きな事が出できるから」。でもそれはうそです。自分の信じることを貫いてブレークスルーしなかったら、そこから先も絶対にやりたい事はできない。やりたくないことをやらされて売れたって意味がない。そういった音楽的信念、矜持を保つ強さがないとプロミュージシャンは長くやっていけないのです。

 これはどういう事かというと(どういう事も何も読んだ通りなのだが)、翻訳すると(翻訳も何も日本語なので読んだ通りの事を言い換えるに過ぎないのだが)、「信念がなければ、売れも評価されもしない。つまり信念と矜持を持つ事がすべてであり、ただし最も困難な事なのだ」という事だ。

 何かを為すとは、信念と矜持がなければ遂げられないもので、売れるとか評価されるというのは副次的な産物に過ぎない。売れなくても評価されなくても、それは所詮副次的な産物なので、全うしたという事実だけで自足しうる、だが結局、信念と矜持がなければその副次的な産物も実は得られない。
 これこれが売れ線だからこれに則ろう、とか、だれそれが評価しているからそれは良い物だ、といった考え方(そも、考えなどという上等なものではないが)は、全く無意味だし、恥ずかしい。売れ筋だろうなかろうと、誰が評価していようが酷評していようが関係なく、己の信念に則って、良いと思う事をする、それ以外に、創造的な仕事はありえない。ただ、その己の信念の質を高め維持する事は容易ではない。

 

by ichiro_ishikawa | 2011-08-07 21:40 | 文学 | Comments(0)  

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