最近とみに書いて来た通り、ゲスの極み乙女。に今ごろハマつてしまつてゐるのだが、「は?」「ジャリタレJポップぢやん」「終はつたな」「そもボウイ長渕好きだもんな」といつた非難めいたリアクションを、センスのよい、分かつてゐる人達から多く受けるにつけ、ゲスがどういいか、誰もが思ふことの範囲を出ないが、以下にまとめておかむ。
演奏
普通に演奏が上手。特にキーボード、ピアノ。
各パートのフレイズもいい。
歌もうまい。発声、声質も実はいい。
全作詞作曲を手がける川谷の陣頭指揮が光るも、ワンマンバンドではない。
歌詞
歌詞がいい。言葉の斡旋、時代の気分の掬い取りがいい。意外と甘くない。男気溢れるロック。
言葉のリズムの乗り方がいい。ラップ部、コール&レスポンス部、コーラス部、メロディ部すべて。
曲
曲の構成がいい。主にイントロ、ラップ、コール&レスポンス、ブリッジ、サビ、間奏、アウトロといつた要素が各楽曲に惜しみなく配置され、サビも3種類ぐらい贅沢に盛り込まれてゐたりもする。品数が多い、高い方のコース料理の様相。出てくる順番、並びも周到。
メロディが抜群。リピートに耐える普遍的なグッドメロディ。
女性陣コーラスの入り方、コール&レスポンスなどオカズ的な部分の練りこまれやうが楽しい。
ラップ部、メロディ部共にリズム感がいい。意外と腰に来る。ベースとドラムのグルーヴ、鍵盤、ギターのカッティングに切れ味がある。
鍵盤の醸すコードがよい。ジャズ的なテンションが加味されてゐる。
ビジュアル、人
各メンバーのキャラがいい。ユーモアあり。アー写のポーズや衣装もセンスがよい。
特にボーカルは、バズーカバンドのプロデュースなる企画での小藪やクッキーとのやりとりもよい。切り返しやコメントも、秀逸。
ボーカルが俺が嫌いなヒョロイ文系優男風だが、意外と精神的骨太でパンクスピリット溢れる。前髪をおろしているのも似合つてゐるからよしとする。パーカーもスルーできる。メガネをかけてないのが救い。まあかけててもよいが。
ドラムのツラと態度がよい。ロック的な美人。
鍵盤のツラと動きがよい。ビジーフォーでいふ紅一点的な味。
ベースの太め感が安定味あり。ひとりデカいデブがゐるとバンドはしまる。湘南爆走族の原沢的な。