子音と俺


デビッド・ボウイーとかモリシーとかの歌やインタビューを聴いてると、TとS、K、そしてPとB音がすげえ強いことに改めて驚く。ツァッ! サッ! クッ! ペッ! バッ! と、摩擦、破裂のオンパレードで、英語といふのはつくづく子音のアタックが強い荒々しい言語だなと思はされ、リズム、ビートのみならず音声的にもロックンロールにピッタリなのであつた。

「日本語によるロック」を追求してゐたはっぴぃえんどの壁となつたのは、日本語の子音のアタックの弱さではなかつたか。いくら言葉をビートに乗せてもこの音声の違ひばかりはどうしやうもない。
氷室はボウイ時代、日本語本来の特性は捨て去り、英語の子音のアタック感を日本語に当てはめて発語するといふ荒技に踏み切つた。その良し悪しはともかく、さうした面からの評価を氷室にしてみるのは無意味なことではあるまい。

黒人の英語もまた白人とは異なり、子音の違ひが大きい。これは日本語が柔らかい感じであるのと同じ理由で、白人と黒人、日本人との口の構造の違ひからくるものである。
白人は口が引つ込んでゐて、下アゴがやや出ぎみであり、舌と歯の距離が短いため、破裂や摩擦が起こりやすいのである(音声学的には破擦音などもあり、実際は実に細かく分類される。Pも語頭、語中、語尾のどこに配置されるかでそれぞれで異なる、といふのもあり)。
といふのが俺の見解で、だから日本人でもアゴをしゃくらせると白人の構造に近くなり英語が発音しやすくなるわけだ。
以上。


俺の好きな表
子音と俺_c0005419_23554796.jpg
Pは「無声両唇破裂音」といふ



by ichiro_ishikawa | 2017-09-20 22:58 | 日々の泡 | Comments(0)  

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