良書『街場の天皇論』


タイトルとか装丁とか著者とか版元などの表面的データから良書かどうかはほぼ見分けられるスキルがすでに身についてゐるので、ましてや目次やレビューなどを見た日には買ひかどうかは100%判明する。
しかしさうした吟味を怠り、あるひはさうしたスキルへの過信から一瞥の雰囲気で判断してしまふことがあり、それでも大抵当たるのだけれど、久々にハズレを掴んでしまつた。そのクソつまらなさといつたらなく、著者と版元を恨み、何よりてめえのジャッジミスにガッデムの感を強くした。

しかしその翌日、内田樹の新刊『街場の天皇論』が到着。その素晴らしい内容に心踊り、内田樹の安定感にその信頼をまた新たにした。さすが小林秀雄賞受賞思想家だけに小林秀雄と同じことを言つてゐる。具体的には「中庸」。
この中庸とは、穏便とか何かと何かの間といつた意味ではない。いつか「中庸といふこと」をまとめざるを得ない。

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by ichiro_ishikawa | 2017-10-09 22:52 | 文学 | Comments(0)  

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