ホテルにて


94歳のある男性とホテルロビーで待ち合はせてゐたが、約束時刻を過ぎても一向に現れず。日にち、時間、場所すべて事前に入念に電話で確認しての待ち合はせだつたが、相手の年齢を加味すると、向こうの勘違ひ、言ひ間違ひといふことも考へられなくはない。
出方が分からないのでかけても意味がないといふふれ込みの携帯電話にダメ元でかけるも、やはり出ない。

1時間ほど経つたところで、いい加減帰らうとしたとき、なんとその男性と顔がほぼ同じの60歳ぐらいの男性が現れた。
顔が全く同じであることに驚きつつも、別人であることも同時に明らかで、すげえ似てても別人ぢやあ全く意味ねえ、と思ひ、ホテルを後にした。



by ichiro_ishikawa | 2017-10-13 16:50 | 日々の泡 | Comments(0)  

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