セクシーでいることに疲れちゃった


 正月は、35年間そうしてきたように、例によって「まったく何も」していなったわけで、それこそただ空(くう)を見つめるばかりで、TVすらつけなかったわけだ。
 だが三が日も終わらんとしていた深夜、ふと、TVをつけると、第8チャンネルで「大人の日本史」なる、昔の「カノッサの屈辱」的な番組がやっていて、これがなかなかどうして面白く、4:00頃までつい全部観てしまったのだけれど、そういや正月は「竹山プロレス」などの企画が秀逸だった「お台場お笑い道」も良かった。07年は年男、竹山の跳躍に注目だ。が、本稿ではそんなことが言いたいわけではない。「深夜のバラエティってたまに結構おもれえのな」と一人感心しながらマリファナを一服し、シャワーを浴びて、寝室に戻ると、つけっぱなしになっていたTVから、天気予報か何かのバックでPVが流れ始めた。くだらねえ青春芝居みたような日本の文系ロックバンドに閉口してスイッチをオフにしようとした矢先、「ははーん」と薄笑いを浮かべてしまうPVに出くわしたのだった。

 近年「Don't Trust Under 30」傾向にあった俺が、若いポップバンドに惹かれる、なんていう現象は20年ぶりぐらいで、自分でも驚いた。否、おでれえた。「もう眠る」という予定を急遽キャンセルすると、離れの書斎に飛び込み、Power Mac G4を立ち上げ、ファイル共有サイトですぐさま音をダウンロードし、All Music Guideでプロファイルを調べ、You TubeからそのPVを落とした。

 それは、Cansei de Ser Sexy(セクシーでいることに疲れちゃった、という意味)、略してCSSなるブラジル・サンパウロで'03年に結成された男女6人組(女5男1)バンドのデビュー作に収録されている曲「Let's Make Love and Listen to Death From Above」歌詞)。
 レーベルは、ナヴァーナ、サウンドガーデンからセイント・エティエンヌまでを手がけてきたアメリカの老舗インディー・レーベル、SUB POP。終始ピコピコ鳴っているチープな音が印象的なエレクトロ・ポップだ。
 カントリーとかフォーク、ジャグ・バンド、戦前のブルーズやビバップ、あるいは黒人のR&B、ソウルしか聴けない俺とは、ほとんど相容れないはずのエレクトロ・ポップだが、実は俺は、エレクトロは大好きで、テクノはたまに聴きたくなるし、特に最近は、リアルタイムにおいては嫌悪していた80sパワーステーション、AOR、フュージョンなどにも積極的に触手を伸ばしている次第なので、そんなに意外な流れでもないのであった。
 そんな言い訳をするまでもなく、ジョイ・ディヴィジョン〜ニュー・オーダーを彷彿させる拙劣ギターに、クールでコケティッシュでポップな歌もなかなかいい。だが、最も惹かれた部分はというと、メンバーのルックスだ。
 そのPVの前は、日本人のものが流れていたし、初めにボーカルを観たときは、英語で歌っているものの彼女が黒髪だったせいもあり、サブカル好き日本人バカ女と見紛うて、うんざりしかけたが、イントロが引っかかったのと英語がちょっとなまっているとはいえあまりに流暢なのでしばらく観ていると、まずドラムが顔の長いブロンド女で、ギターがなんと3人もいて、一見ぶさいくだが実は美人なフレンチ気違い系女優みたいな女、黒髪&天然巻き毛のラテン女に、ジョー・ペリー似のネッカチーフ女、ベースはひげのラテンオヤジという、個性的なメンツに「おっ、欧米だったのか」と気づいた。各人のダンスがこれまたクールで、いきなりかなりキャラクターが立っている。ボーカルはすでにカリスマ性に満ち、これは天賦の才を備えていると見た。前述した通り、彼等CSSはブラジル人バンドで、クールはクールでも、やはりアメリカやイギリスとは異なるラテン・クール・ビューティーと言いたい気に駆られる独特のオーラを出している。ブラジルというのがでかい。

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 16〜17の少年じゃあるまいに、PV一発でやられるなんていう経験が激レアなので、思わず興奮して新年一発目に駄文をしたためてしまった年男の俺。今年はこんなブログなんてやめて、「ヘラルド・トリビューン」とかに発表していく。さらにJulie Electroの新作に加え、原作・俺/画・左三四郎(from 四人楽団)による新作マンガもリリース予定。

by ichiro_ishikawa | 2007-01-04 05:30 | 音楽 | Comments(2)  

Commented by 未確認アイドル★リア・ディゾン at 2007-01-05 21:52 x
左先生はヤンキ-マンガしか描けませんよ
Commented by ichiro_ishikawa at 2007-01-06 05:32
左にはドクトクなファンシーな絵を描かせる予定。原作はとんでもなく面白いものになる予定。
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