マイブーム07晩秋


 最近ずっと保坂和志を読んでいるが、いい。
 著者近影ではいつも猫を抱いていて、かつ早稲田出身、という僅かな情報だけで勝手に「村上春樹くさい」と敬遠していたが、数年前にたまたま読んだ『この人の域』がすごくよくて、以来、ちょくちょく気にしてはいた。さらに『<私>という演算』とか『世界を肯定する哲学』、『小説の自由』、『小説の誕生』といった著書が、露骨に哲学・批評寄りの文学者という位置を示していたし、「感傷的な小説が大嫌い」といった発言も目にするにつけ、かなり信用するに至った。
 保坂は小説家だが、その主題は、「ある」と「ない」であり、常に「考える」を考えていて、たとえば「死」は「ない」から考えられない、と、誠実に考えている。最近読んだ『羽生』という批評では、文庫版あとがきを茂木健一郎が書いていて、案の定、ベルクソンを引用している小林秀雄を引用していたりと、やはりつながった。
画家は目があるから見るのではない。
目があるにもかかわらず見るのだ。(小林秀雄)

by ichiro_ishikawa | 2007-11-14 02:23 | 文学 | Comments(0)  

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