2017年 03月 10日 ( 2 )

 

小林秀雄のジャンル


小林秀雄は研究者や高い教養のある読書家、インテリ層にとても評判が悪いやうで、実証的にそのダメさが多く指摘されてもゐる。
エピゴーネンの俺は、なるべく謙虚に無私の精神を持つてそれらを読むやうにしてゐるが、それでもやはり的外れなものが多いと思はれる。
要するに、それらは「研究論文」「評論文」として小林の著作は瑕疵だらけといふ批判なのだ。
しかし小林の文章はロックンロールであり、つまりポップであり、「常識」を基盤とした個人の情熱であつて、「研究論文」や「評論文」ではない。さういふ意味で的外れなわけだ。「近代批評の確立者」といふレッテルが微妙なのだ。正確には「孤高のロック文士」(でもこれだとアカデミックに残らない、正史に記録されないので俗称にとどめん)。

小林の愛読者がまさしく眺めるものは無私なる(ゆゑに極めて個性的な)小林の情熱であり、その情熱に動かされるのであつて、その「客観的な妥当性」にではない。かつ、小林に認める凄さとは、その情熱の方が客観的な妥当性よりも大事だといふ事に気づかせてくれるところだ。研究や評論に価値がないといふ事では勿論ない。それとは別次元の、原始的な、人間にとつて大事なもの、といふジャンルがあるといふ事で、小林秀雄はそこに属する。そのジャンルにはほかに池田晶子がゐる。その二人しかゐない。

by ichiro_ishikawa | 2017-03-10 12:49 | 文学 | Comments(1)  

1984年の名曲ベスト5

「セーラー服と機関銃」(来生たかお)、「探偵物語」(大瀧詠一)、「メインテーマ」(南佳孝)、「Woman “Wの悲劇”より」(呉田軽穂)と、初期薬師丸ひろ子は名曲オンパレードなのだが、『1984年の歌謡曲』を読み、改めて全曲を繰り返し繰り返し聴き比べるに、「Woman “Wの悲劇”より」が飛び抜けて優れている事に33年目にして気づいた。「ずつと9th」、「時の河転調」。松任谷由実すげえ。
また、薬師丸の歌唱、そして歌詞。サビの転調部は「セックス」だといふ。さういはれるともうさうとしか思へない。哀しい。そして逆説的だが美しい。松本隆と薬師丸すげえ。


1984年の名曲ベスト5

1.
薬師丸ひろ子「Woman "Wの悲劇"より」
1984年10月24日
作詞=松本隆/作曲=呉田軽穂


スージー鈴木の解説
安定的なルート(b♭)の場合と、
呉田軽穂(松任谷由実)による一音浮いている9th(C)の場合の違い
コード:B♭m


2.
大沢誉志幸「そして僕は途方に暮れる」
1984年9月21日
作詞=銀色夏生/作曲=大沢誉志幸
プロデュース=木崎賢治、小林和之


3.
井上陽水 「いっそ セレナーデ」
1984年10月24日
作詞・作曲==井上陽水


4.
吉川晃司「ラ・ヴィアンローズ」
1984年9月10日
作詞=売野雅勇/作曲=大沢誉志幸
プロデュース=木崎賢治、小野山二郎


5.
安全地帯「ワインレッドの心」
1983年11月25日
作詞=井上陽水/作曲=玉置浩二


6.
サザンオールスターズ「ミス・ブランニュー・デイ」
1984年6月25日
作詞・作曲=桑田佳祐


1984年を象徴する、
名曲といふのとは少し違うがよくできていて
愛唱性の高い曲

吉川晃司「モニカ」
1984年2月1日
作詞=三浦徳子/作曲=NOBODY


小泉今日子「渚のはいから人魚」
1984年3月21日
作詞=康珍化/作曲=馬飼野康二


石川優子とチャゲ「ふたりの愛ランド」
1984年4月21日
作詞=チャゲ、松井五郎/作曲=チャゲ


近藤真彦「ケジメなさい」
1984年6月6日
作詞=売野雅勇/作曲=馬飼野康二


氷室バージョン(貴重)


中森明菜「十戒 (1984)」
1984年7月25日
作詞=売野雅勇/作曲=高中正義


舘ひろし「泣かないで」
1984年
作詞=今野雄二/作曲=たちひろし


アン・ルイス「六本木心中」
1984年10月5日
作詞=湯川れい子/作曲=NOBODY


吉幾三「俺ら東京さ行ぐだ」
1984年11月25日
作詞・作曲=吉幾三
プロデュース=千昌夫



by ichiro_ishikawa | 2017-03-10 09:59 | 音楽 | Comments(0)