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考える人

 なぜ俺は考える人か。なぜ人に聞くのが苦手で嫌いで、すべててめえで考え、解決したり失敗したりする、孤高の一匹狼か。

 小学校初の給食。みそ汁が出た。具だけを食べて後は残した。家庭ではおそらくそうしていたのだろう。躊躇なく残した。
 しかし片付ける段になり、汁の処遇に困った。思い切って大山先生に俺は問うた。
「この汁どうすれば?」
 大山先生は「は?」という、6年間生きてきて初めて見た「何を言ってるの、こいつは?」という表情を俺に浴びせた後、言った。
「飲みますよ」

 知らなんだ。みそ汁の汁を飲むとは知らなんだ。あれは具を食べるだけものじゃなかったのか?
 俺はあの大山先生の「飲みますよ」の、人をバカにした顔がトラウマとなり、以来、人にモノを尋ねるのを恐れ、ひたすらてめえで考えるようになり、今に至る。

by ichiro_ishikawa | 2011-08-23 01:46 | 日々の泡 | Comments(0)  

名著


 ある歌人が「ものすげえ」と言うので、谷川俊太郎・山田馨『ぼくはこうやって詩を書いてきた 谷川俊太郎、詩と人生を語る』(ナナロク社)ゲットン。2,940円と高いが、736ページなので大アリ。装幀は無論、おそるおそるチラッとめくっただけで名著、決定。
 
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by ichiro_ishikawa | 2011-08-23 01:28 | 文学 | Comments(0)  

一流作品について

一流作品は難解だ。しかし難解だというそのことがまたあんまりわかりやすくはない。小林秀雄

by ichiro_ishikawa | 2011-08-22 01:38 | 文学 | Comments(0)  

小林秀雄 全翻訳

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 講談社から昭和56年7月28日に出た『小林秀雄 全翻訳』初版(普及版)をネット古書店にて安価で入手。ちなみに限定版(菊判/背・小口革上製/天金/布貼函入/外函付/毛筆署名・朱番号入)はさすがに今では入手困難。それでも布装上製/函入なのは嬉しい。当時の定価は5,800円。いまの値ごろ感で言えば12,000円といったところか。
 内容は下記の通りだが、新潮社版第五次全集には、アラン「精神と情熱に関する八十一章」、ポオル・ヴァレリイ「テスト氏」、サント・ブウヴ「我が毒」、「ランボオ詩集」という四大翻訳が収められているが、ボオドレエルやジイド、リヴィエールの細かいものまでが一堂に会しているのは有り難い。初出や収録単行本のデータは無論、後記や付記などの情報も親切な郡司勝義による詳細な解題もよい。全870ページ。小林作品の中で最も分厚い。
 編集者のペンであろう帯文のテンションもいい。

 燦爛たる詩想
 質実なる論究
 比類ない
 巨匠小林秀雄の青春が
 全翻訳の火箭となって
 ここに飛ぶ!

 全集などに未収録のまま、今では入手不可能となった諸篇に至るまでその全訳業をまとめ尽くした本書は、時流に洗い去られてなお、日本文学の古典として残る感応と表現の魔術的魅力、時代の精神の交響を広く世に贈ろうとする。
 今後この形で刊行されることはもはやない。


今なら、「もっと大衆に判りやすく」とか言われてボツになるな。何だよ、判りやすくってな。一読してわかるようなものに価値はない。一流なものはすべて難解だ。難解な対象を相手にしてるわけだから。難解だから書くわけだ。でなかったら本じゃなくてもいいだろう。難解な本だけが生き残る。読書人が変質しているのか。版元がセンスなくアホなのか。両方だな。


『小林秀雄 全翻訳』収録内容

シャルル・ボオドレエル
「ボオドレエルの日記より」
「エドガア・ポオ その生涯と作品」
「再びポオに就いて」
「悪の華(抄)」

エドガア・アラン・ポオ
「メエルゼルの将棋差し」

アルチュウル・ランボオ
「地獄の季節」
「修画」
「韻文詩」

ジャック・リヴィエール
「アンドレ・ジイド」

アンドレ・ジイド
「ジャック・リヴィエール」
「パリュウド」
「プレテクスト(抄)」

ポオル・ヴァレリイ
「テスト氏」
「アルベエル・チボオデ追悼」
「ジャック・リヴィエール追悼」

アラン
「精神と情熱に関する八十一章」

シャルル・オオギュスト・サント・ブウヴ
「わが毒」

by ichiro_ishikawa | 2011-08-15 18:27 | 文学 | Comments(0)  

オーヴァー・シーズ

 54年前の今日、1957年8月15日は、J.J.ジョンソンのヨーロッパツアーにサイドマンとして同行した、トミー・フラナガン、ウィルバー・リトル、エルヴィン・ジョーンズが、ピアノトリオの傑作『オーヴァー・シーズ』をレコーディングした日(「高野雲の快楽ジャズ通信」 vol.1761より)。
 『オーヴァー・シーズ』は、俺の中でのピアノトリオ第1位、いやジャズ全体の中でもベスト5には入る超がつく大名盤。



OVERSEAS Tommy Flanagan

1.Relaxin' At Camarillo
2.Chelsea Bridge
3.Eclypso
4.Dalarna
5.Verdandi
6.Willow Weep For Me
7.Beats Up
8.Skal Brothers
9.Little Rock
10.Dalarna (take 2)
11.Verdandi (take 2)
12.Willow Weep For Me (take 1)

Tommy Flanagan (p)、Wilbur Little (b)、Elvin Jones (ds)
1957年8月15日録音

by ichiro_ishikawa | 2011-08-15 14:31 | 音楽 | Comments(0)  

Ryu's Bar


「Ryu's Bar 気ままにいい夜」
ゲスト 忌野清志郎



こういうトーク番組の司会やりてえ。誰か仕事くれ。

by ichiro_ishikawa | 2011-08-15 04:26 | 音楽 | Comments(0)  

名シーン

「親子ジグザグ」(1987年)第19回
5:00〜。
表情だけの芝居ものすげえやばい。

by ichiro_ishikawa | 2011-08-15 02:34 | ドラマ | Comments(0)  

それはうまく口では言えないやな

 夏休みもクライマックスに近づいているというのに宿題には全く手をつけず、「勝手に自由研究」の一環で、小林秀雄全集未収録作品を集めては片っ端から読んでいるが、今の気分に合致していて面白かったものを下記に抜粋する。別の所でも書いていた(すぐ出ない)実業家の知人に関する、軽めのエピソードだが、小林秀雄の核に触れている重要な一節だ。

 昭和34年11月30日、NHK第二放送の教養特集で放送された池島信平(当時文藝春秋新社編集局長)、嶋中鵬二(当時中央公論社社長)との鼎談「文壇よもやま話」。この鼎談は、後の昭和36年4月に青蛙書房から刊行された『文壇よもやま話 上巻』に収録され、長らく絶版になっていたが、昨年の2010年10月、唐突に中公文庫に入った。ベタ起こしに近く、本人もそんなに推敲していないのか、文章としていささか読みにくいが、その分、収録時の生々しさが再現されていて、これはこれでよろしい。



 僕はね、よく考えるんだけどね、……もう死んだんだけど、僕の知人だった人に実業家があったんだよ。親しくしてたんだ。非常に有能で立派な人だったがね。僕は面白いと思ったのはね。人がいろんな意見を述べるでしょう? いろんなことを言うとね、「ごもっとも」ッて言うんだよ、「ごもっとも」ッて。また、反対のいろんな意見を言う奴が来ても、「ごもっとも」ッて言うんだよ。それから今度ね、自分が喋る段階になると、「ごらんのとおり」ッて言うんだよ、「ごらんのとおり」ッて。何にも弁解も、説明もしねえんだよ。それが癖みたいな人があったけどね。あ、成る程なア、こういうことがあるんだなあッて、まだ、覚えてることがあるけどね。その……いろんな意見ッてね、いろんなことを言ってみてもね。皆ごもっともだろう? だけど君、違うんだよね、本当のことは違うんだよ。それが、いろいろ実地に当たって仕事をして来た人は、いつでも実地ッてものを考えてるでしょう。実地ッてものは、つまり材料が沢山あるわけだろう……その中からあれだなッていうものはチャンと判ってるわけだな。それはうまく口では言えないやな。だから口でいろいろ意見を言う奴は「ごもっとも」なんだよ、みんな。だから「ごもっとも」っッて言ってるんだよ。さて、今度は自分が説明しようと思っても、あれだなッてことは、あんまり材料を沢山知ってるから、うまく言えないんだよ。だから「ごらんのとおり」なんだよ(笑)。「ごらんのとおり」ッ言ってるんだよ。で、僕はね、やっぱりね、批評のコツってのはそういうもんじゃないかね。僕はそういう風に思うがね。
 つまり材料が沢山なくちゃだめよ。だからホラ、新聞の政治論文でも、文化論でも、なんでも材料が実に貧弱なのよ。だから後は言葉で誤摩化さなくちゃならないでしょ? だから空論ばかり吐くわけだろ? ところが材料が沢山あると、これは中々ものは言えないもんだよね。あんまり沢山矛盾した材料があるでしょう? それをじいッと眺めているとだね、材料の中の方から、なんか結論が自然と浮かんでくるもんだよね。で、それは巧く言えないもんだよね。で、こいつをキャッチしてる奴ね、こいつをキャッチしてる奴は、あんまり喋らんだろ? 「ごらんのとおり」ッて言ってるよ。……僕はね、この頃、ジャーナリズムというものが非常に僅かな材料をもって喋っているということと、それから沢山材料を持ってる人は喋らんということを思うね。喋らん人達はジャーナリズムに顔を出さないんだよ。で、こいつらがね、僕は日本の文化の原動力だと思うよ。この「ごらんのとおり」ッて言ってる奴がね。


 上記の知人は、小林秀雄自身のことでもあろう。
 小林秀雄は、何とも言いがたい悲しみを胸に、様々なる意匠すべてを「ごもっとも」で済まし、後年は、ただ「ごらんのとおり」と言うことだけに専念した……。

by ichiro_ishikawa | 2011-08-14 22:19 | 文学 | Comments(0)  

Train Kept A Rollin'

シーナ&ザ・ロケッツ「レモンティー」


The Yardbirds「Train Kept A Rollin'」 (1968)


The Yardbirds「Train Kept A Rollin' - Stroll On」(1966 with Jeff Beck )
映画『欲望』(BLOW UP)より


Aerosmith「Train Kept A Rollin'」(1974)

by ichiro_ishikawa | 2011-08-14 03:12 | 音楽 | Comments(0)  

サミエル・ジェーン・マツダ

「東京イエローページ」(1989-1990)より「パツキンでツイスト」
サミエル・ジェーン・マツダという名前。通称が普通。
オチそうでオチない無駄話。クイズやらねえ。
が秀逸。


「東京イエローページ」(1989-1990)より「サラリーマンが往く!」
冒頭の小会話が秀逸。


「恋のバカンス」(1984)より「三谷ブルース」
住田と布施絵理のツラと居方が秀逸。

by ichiro_ishikawa | 2011-08-14 02:54 | お笑い | Comments(0)