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放送の言葉と俺


いつもYouTubeを見ながら、司会者、コメンテーター、ひな壇などなど演者に対して感心やらダメ出しやらの場外批評をやつてゐる俺が、先日、テレビの取材を受けたのだが、極端にテレビ向きでない、といふかテレビに出れる実力に甚だ乏しいことが実証された。

まづ、表情身振りが乏しい。
カメラを意識しすぎ。
まあ、このあたりは素人にありがちでご愛嬌だらう。
重要な欠陥は、
「言葉がわかりにくい」ことであつた。

紙メデイアではあるが、普段は送り手の立場であるので、上記のことは常識的に理解はしてゐたし、逆にそのやうに執筆者には指示したりもしてゐる。
しかしながら、紙媒体と映像媒体の違ひはものすごく大きく、また指示と実際やるのとではこれまた大違ひ。特にその言葉である。

話し言葉といふものは書き言葉とは根本が異なることは重々承知で、現場では、話し言葉に開くだけでなく、かつすごく噛み砕いて、ひらがなで喋つたつもりが、それでも「文学的すぎる」と言はれる始末。
簡潔に述べることの難しさを痛感した。

テレビの取材者は、実はこちらが話す内容はすでに把握ずみ。つまり撮影取材では、その内容を聞きたいのではなく、「それを自らの言葉で語つてゐる画」が欲しいのである。そのときにキャッチーな言葉なら万々歳、最低限「オリジナルかつ誰にでも伝わる文言」がほしいわけである。それは必ずしもレベルを下げることではない。逆に言葉のレベルを上げることである。
放送の言葉といふのは実に奥深い。よくある「街の声」でさえ、使はれてゐるのは、さうした選ばれた言葉なのである。

なお俺の言葉はそれらを満たしてゐないゆゑ多分カット、放送には乗らないだらう。無念。
今後YouTubeを観る視点がまた変はつてくる。








by ichiro_ishikawa | 2017-10-23 17:10 | 日々の泡 | Comments(0)  

ホテルにて


94歳のある男性とホテルロビーで待ち合はせてゐたが、約束時刻を過ぎても一向に現れず。日にち、時間、場所すべて事前に入念に電話で確認しての待ち合はせだつたが、相手の年齢を加味すると、向こうの勘違ひ、言ひ間違ひといふことも考へられなくはない。
出方が分からないのでかけても意味がないといふふれ込みの携帯電話にダメ元でかけるも、やはり出ない。

1時間ほど経つたところで、いい加減帰らうとしたとき、なんとその男性と顔がほぼ同じの60歳ぐらいの男性が現れた。
顔が全く同じであることに驚きつつも、別人であることも同時に明らかで、すげえ似てても別人ぢやあ全く意味ねえ、と思ひ、ホテルを後にした。



by ichiro_ishikawa | 2017-10-13 16:50 | 日々の泡 | Comments(0)  

歴史的音源


​​俺の余暇は、YouTubeとgoogle earthとiTunesにそのほとんどが費やされるが、 この度、国立国会図書館のサイトにて、「歴史的音源」(明治33年初頭から昭和25年頃までに国内で製造されたSP盤及び金属原盤等に収録された音楽・演説等の音源)がスマートフォンで聴けるやうになつた。​当分、これがメインになっていくこと必至だ。


出版年は​1922~1985年(​不明も619点あり)、 ​ジャンルは、文部大臣・鳩山一郎の「軍縮問題と国民の覚悟」(​​1936年1月)などの​演説から​​​流行歌・歌謡曲​、​落語・漫才​、​自然音・効果音まで多彩。​




by ichiro_ishikawa | 2017-10-06 16:25 | 文学と音楽 | Comments(0)  

本日の心の微動

本日、1分間に二度も人に追いかけられる事態が発生。

一度目はファミレスを出た直後。小走りで近寄つてきた男に呼び止められ、「こちらのペンはお客様のでは?」。どうもと礼を言つて受け取つた。

さらに10mほど歩んだところ、「とんぼ」の最終話よろしく背後からドタドタと人が駆け寄つてくる気配を察知。受け身をとりつつ振り返ると先ほどの男が
「こちらのタバコもお客様のでは?」。どうもと再び礼を言つて別れき。


by ichiro_ishikawa | 2017-10-05 15:03 | 日々の泡 | Comments(0)  

注文の俺


ふだんは殆ど腹を立てない穏当なタチの俺ではあるが、唯一、無性に腹立たしくなるのが、注文時の店員の「はい?」といふ聞き返しだ。

俺の滑舌が悪くかつその音量がイラつくほど小さかつたりくぐもつてゐたとしても、注文を取る店員といふのは常に注意深く聞き耳を立ててゐなければならない。さうすれば、「メニューは全て把握してゐる」、「客は品を注文しようとしてゐる」のだから、大抵は把握できるはずだ。仮にたとへばハムトーストと聞こえたがハニートーストの可能性も払拭しきれない、といふやうな場合でも、注文を繰り返すフリをして確証を固めればよい。

だのに、中には「はい⁉︎」と、「何言つちやつてんのアンタ?」のやうな叱責気味の聞き返しをしてくる輩もゐて、さうするつてえともう一触即発、売り言葉に買い言葉で、結局表へ出ろ的な問答へと発展してしまふ。できればさうした不毛な事態は避けたいのである。

だから注文を取る店員は、細心の注意を払ひ精神統一をした上で注文を聞き、それでも万が一聞き取れなかつた時は、「えろうすんまへん、小生いま少しボーッとしてをり迂闊にも聞き逃してしまひまして、大変おそれいりますが、今一度ご注文をお願ひできますか?」と、優しく穏やかに問い返すべし。
さうすれば、かうした看過すべからざる致命的な凡ミスに対しても寛容に、最初と同じ滑舌、音量、くぐもり加減でもう一度囁き直す用意はある。


by ichiro_ishikawa | 2017-09-26 13:43 | 日々の泡 | Comments(0)  

子音と俺


デビッド・ボウイーとかモリシーとかの歌やインタビューを聴いてると、TとS、K、そしてPとB音がすげえ強いことに改めて驚く。ツァッ! サッ! クッ! ペッ! バッ! と、摩擦、破裂のオンパレードで、英語といふのはつくづく子音のアタックが強い荒々しい言語だなと思はされ、リズム、ビートのみならず音声的にもロックンロールにピッタリなのであつた。

「日本語によるロック」を追求してゐたはっぴぃえんどの壁となつたのは、日本語の子音のアタックの弱さではなかつたか。いくら言葉をビートに乗せてもこの音声の違ひばかりはどうしやうもない。
氷室はボウイ時代、日本語本来の特性は捨て去り、英語の子音のアタック感を日本語に当てはめて発語するといふ荒技に踏み切つた。その良し悪しはともかく、さうした面からの評価を氷室にしてみるのは無意味なことではあるまい。

黒人の英語もまた白人とは異なり、子音の違ひが大きい。これは日本語が柔らかい感じであるのと同じ理由で、白人と黒人、日本人との口の構造の違ひからくるものである。
白人は口が引つ込んでゐて、下アゴがやや出ぎみであり、舌と歯の距離が短いため、破裂や摩擦が起こりやすいのである(音声学的には破擦音などもあり、実際は実に細かく分類される。Pも語頭、語中、語尾のどこに配置されるかでそれぞれで異なる、といふのもあり)。
といふのが俺の見解で、だから日本人でもアゴをしゃくらせると白人の構造に近くなり英語が発音しやすくなるわけだ。
以上。


俺の好きな表
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Pは「無声両唇破裂音」といふ



by ichiro_ishikawa | 2017-09-20 22:58 | 日々の泡 | Comments(0)  

発見2点、提案1点


ファミレスの喫煙席は性別年齢不問で小汚い奴が多く、禁煙席は社会の勝ち組風の小綺麗な奴が多い。

自販機でSuicaを使つたあとの残高表示時間がサブリミナル効果狙いなのか、おそろしく短い。なかなか確認できないため、何回か買てつみるハメになりがち。


北朝鮮への対応とか、庶民の案を集める「政策案専用投稿サイト」を作るといい。官が思ひつかない市井の妙案ホルダーは多々居る。採用された人には100万円。部分採用はその比率に応じる。
運用は官僚。運用資金はキャリア官僚15000人の給料から毎月500円天引き。月750万。
ジャッジは官僚。


by ichiro_ishikawa | 2017-09-13 19:00 | 日々の泡 | Comments(0)  

与党の仲間入り


生まれてこのかた40年以上、常に「俺の好きなものはどこかマイナー」だからなのか、世間において万年野党といふか、「好んで常用してたものが需要の少なさから生産中止」的な、居心地が悪いといふか不便な生活を余儀なくされてきた。

しかしここに来て、誰もが愛する世間のど真ん中、どメジャーなゲスの極み乙女。を好きになつたおかげで、普通の人(与党)と普通の会話ができるやうになつた(まだしてないが)。常用の整髪料が全ドラッグストア、全コンビニ、あまつさえ全キヨスクで手に入る感じ。そんな生きやすい状況になつた。

カラオケにて、すげえ歌ひてえが誰も知らないし盛り上がらねえといふ心配をすることがなくなり(カラオケは行かないが)、歩きながら口笛でゲスを吹けば、「お?ゲスだね」と道行く人といふ人から笑みを返される状況。
あー、生きやすい。



by ichiro_ishikawa | 2017-09-12 22:33 | 日々の泡 | Comments(0)  

思考実験 メールがなかつた頃


メール、ケータイといふツールを駆使した生活がデフォルトになつて久しく、その登場以前の暮らしを思い出せなくなつてきてゐる。

かつて現代のコミュニケーションツールといへば電話であつた。いまは電話は、否応なしに応答しなければならないといふ理由で、暴力的とさへ形容される代物に成り下がつてゐる。実際かくいふ俺もゴトシ以外で電話を使ふことは皆無となつてゐる。元々生身のコミュニケーションを避けたい性格だけに、この新たな潮流は渡りに船ではある。

しかし、ふとメール以前の暮らしを思い出してみたくなつたので、回想してみる。

俺が初めてメールを始めたのは、ケータイを持つやうになつたのとほぼ同時であり、確か1997年、26歳のことであつた。前述の通り人間嫌ひの俺は、俺の時代が来たとばかりに嬉々として飛びついた。つまりそこから今に至る20年は地続きだ。

その直前はポケベルといふのが一瞬あつた。1992〜96あたりか。しかしうまく使いこなせず、駆使した記憶が殆どない。

だから1991年、20歳以前は完全に電話であつたことになる。つまり俺でいへば学生時代は電話であつたといふことで、学生時代の暮らしを思い出せば、メール前のコミュニケーションを思い出せるか。

……しかし、電話を使つた記憶が引つ張り出せない。日常における電話によるコミュニケーション事例を忘れてゐる。おそらく友達がゐなかつたから、必要なかつたのやもしれぬ。

ぼんやりと、「一郎、電話ー、誰々から」「…居ないつて言つて」といふやりとりがしばしあつたことが思ひ出されるぐらいだ。

ここで言へるのは、かつて誰かと連絡を取る際は、その人の家族を一発かます必要があつた、といふことだ。だから、家族の各人脈は同居の家族全員が共有していた。電話も子機が出て来たのは1980年代後半に入つてからで、以前は電話での会話自体を家族の前で公開して行なつていたのであり、人脈どころか誰が誰とどういふ関係で何をしてゐるか、まで共有されてゐたといふことになる。
そんな時代が、電話が日常に組み入られた明治から昭和まで約100年続いてゐたといふことだ。

今やケータイ、メール、SNSにより、晒すも隠すも自在といふ環境にあり、これは人類コミュニケーション史、つまり精神史において、相当大きな変化である。
そりやあ、何かが抜本的に変はるわな。
以上。











by ichiro_ishikawa | 2017-09-11 19:31 | 日々の泡 | Comments(0)  

身体言語と暴力


1987年のドラマ「親子ジグザグ」で、博多に帰るため羽田空港に行く駅に向かつて一人歩いてゐる母(ババア=李麗仙)、それを息子(勇次=長渕剛)がバイクで追いかけて止め、形だけの態で軽い餞別を渡すといふ、ドラマ史上に残る名シーンがある。


この母と息子の間には、それまでに散々色々とあつたわけで、当人にしかわからない微妙で複雑な関係があるのだが、詳述すると長編小説になるのでここではできないが、簡潔に記す。


やんちやな勇次は田舎の博多を早々に捨て東京で暮らしてゐたが、実は田舎に、或る女性との間にできてゐた子供がゐた。勇次はそれを知らないで上京してゐた。女性は勇を産んですぐに亡くなつたため、ババアがその勇次の子供(勇=伊崎充則)を小学校にあげるまで博多で育ててゐたのだつた。

そんな事実をつゆ知らない勇次にその勇を引き渡すため、ある日ババアは上京。勇次の反対をよそに彼の住まいに寝泊まりしながら、独特のやり方で勇次のハンパな性根を叩き直し、これなら大丈夫だといふところまで見届けてから、勇を置いて、一人博多に帰る、といふわけだ。


それが冒頭のシーン。


手土産を渡し、義務が済んだとばかりに帰らうとする勇次だが、ババアの姿を見ると、その場を離れられなくなつてしまふ。そんなセンチメンタルな勇次に対してババアは、「しつかりせんか!」とビンタ一閃。

かくして、ババアは博多へ、勇次は東京の自宅へ、それぞれ逆方向に帰つていく。


俺の筆力だとこの名シーンぶりが限りなく陳腐になつてしまふが、要するに、日野皓正の中学生ドラマーへのビンタは、親族ないしそれ相当の関係性の上のみに成り立つこの種の「身体言語」である。俗に言ふ愛のムチだ。


しかし世間には、

「これは明白な暴力行為で刑事罰が相当ですし、民事責任も全うすべきと思います。また、指導者が年齢や権威によって、更に暴力行為によって子どもの表現活動を抑圧したことは明白であり、再発防止のために何が間違っていたのかという議論と検証が必要と思います」

などとのたふ御仁もゐて、まづい。


なんでもかでも暴力と括つてしまへば、深く考へなくて済むから楽だらうが、人間のコミュニケーション力は退化し、さらには逆に法の目を盗んだ暴力が瀰漫していき、世界は荒廃して行くだらう。



by ichiro_ishikawa | 2017-09-06 09:22 | 日々の泡 | Comments(0)