タグ:music ( 378 ) タグの人気記事

 

buzzについて

昨日発売の『buzz』、ロック生誕50年特集。c0005419_14263144.jpg
 同社から先週出た『SIGHT』上での米誌『Rolling Stone』転載のロックベストアルバム特集に続く、ロック生誕50年特集なわけだけれど、今回の『buzz』では、“瞬間”という切り口で、特に現象面をフィーチャーしている。主に英『Q』誌の記事の翻訳転載だけれど、[ロックを変えた50の瞬間]では、各ディケイドごとに、ロッキング・オン社定番企画の編集部員の対談が載っていて、ここが一番面白かった。特に「70年代」は、社長・渋谷陽一と『rockin'on』『buzz』編集長の山崎洋一郎という顔合わせで、渋谷の批評家としてのすごさが垣間見れる内容だ。
 「60年代」で登場するのは松村雄策。基本的に「ビートルズ凄い、60年代最高、そのロックが一番輝いていた60年代を10代としてすごした俺は幸福だ」という路線は崩れていない。松村はやっぱりエッセイストで、純粋に音楽ファンなので、それはそれで信用できる。『rockin'on』の「渋松対談」が面白いのは、渋谷の批評が松村の純朴に逆に批評されることで、全体がより鋭敏な批評になっているからだと再認識した。
 で、渋谷だけれど、基本的に彼の魅力は、批評が自己証明になっているというまさに、小林秀雄流というところで、自ずと孤高的な立場になるし敵も多い。だが、彼は結局自分を語っているのでそこに気付かなければどんな敵も彼を倒すことはできない。
 彼の著書「音楽が終わった後に」「ロック微分法」「ロックはどうして時代から逃れられないか」などの著作や、『rockin'on』『SIGHT』などでの本文原稿を読むと、
やっぱり批評家として凄いと感じる。経営者としてものすごいので、批評家というより実業家としての側面にスポットが当てられがちだけれど、実は経営手腕の何千倍もその批評力が凄いと思っている。というより、その経営手腕自体が強靱な批評力によっている。例えば、後追いでなく自分のリアルタイムの実感で言えば、80年代末のヒップホップもそうだったし、90年代初頭のレディオヘッドをまず最初に「とんでもない」として評価したのは、(当時40代の)渋谷だった(あと田中宗一郎も)。
 今日は渾沌としているとか、価値が細分化・相対化しているとか、まことしやかに謳い挙げている輩は多いけれど、渾沌としていない時代なんてないし、価値はいつだって絶対的なもの。価値が相対的だったらそれは本当の意味で価値ではない。渋谷は、そういう地点から常にものを言っているから信用できる。やっぱり瑞々しい感性が生き生きとした尺度それ自体となっている。自分も常にこうでありたい。
 以下、余談。『buzz』は特集雑誌になってほしい。増井修が立ち上げた創刊時は『rockin'on』をリーディング雑誌として編集していくがゆえに、そこからこぼれ落ちてしまうオルタナティヴな要素を中心に構成していくというものだったと思う。表紙はトレント・レズナーでデザインも中島系統のものではなく英国のスタイリッシュなテクノ系の雑誌風であった。だが、メインストリームもオルタナティヴもないという昨今、そうした別け方で雑誌は作れないし、私はミュージシャンのインタビューなんて読みたくないので、その都度、いかした切り口で斬新な特集をムック的に見せていってほしい。

by ichiro_ishikawa | 2004-12-14 14:27 | 文学 | Comments(0)  

今朝知った今日発売の文庫を即買&即読、そしてUP

 今朝、平日は滅多に広げない朝刊に目を通すと、偶然ある本の広告に目が行った。
『R&Bコンプリート・CDガイド/松村雄策編』。ビートルズ愛好家・松村雄策が編したR&Bガイドだ。ビートルズ、ロックというと言わずもがなそのルーツにはブラックミュージックがあり、ロック愛好家なら誰しもブラックは通る道だけれど、“R&Bコンプリート・CDガイド”的なものを作る力量が松村に果たしてあるのか? 早速通勤途中で本屋に立ち寄り購入。さすがに朝刊の広告に載っている、しかも朝日文庫だとあって、すぐ見つかった。仕事の合間を縫って、今、読了。
 基本的に松村は監修的な位置。ほぼ時系列に沿って章立てされ、それぞれの章で執筆者がいる。松村は前書きと、第2章「ブリティッシュ・インヴェイジョン」を書いている。納得。あいかわらず松村の文はひょうひょうとしたエッセイ風で、常に言っていることがいつものように書かれている。だが、その他の章が実に読みごたえがあった。執筆陣がすごい。ロッキング・オン系のブラック番・高見展に、テクノのメジャー化の絶大なる貢献者にして元JAPAN編集長・鹿野淳、シンコー系(?)の赤岩和美、そして正統派・評論家の藤田正。松村の力は文章ではなく、このメンツ集めに注がれている。だから、編、だ。
 各章、5〜6ページの音楽概要があって、その後に推薦CDが並ぶ、という構成だが、概要の紙数が少ないだけにかなり濃い情報が凝縮されていて、かつ文章のクオリティが高いから、さながら、K−1のKOシーン特集、あるいは、サッカー・ゴール・シーン名場面、あるいはプロ野球ニュース「今日のホームラン」を見ているような感覚で、一気に読めた。
 50〜70年代のブラック・ミュージックはバーター・ピラカン『魂(ソウル)のゆくえ』に詳しく、最近読み返していたところなので、80年代以降〜現在に至るくだりが特に新鮮で良かった。自分はヒップホップにそんなに明るくないため、ネルソン・ジョージ『ヒップホップ・アメリカ』と併読しながら、ちょっとヒップホップの深淵に足を踏み入れてみようかという気分になった。また、取りこぼしている50〜70年代のブラックミュージックもさらにディープに入っていきたい。


『R&Bコンプリート・CDガイド/松村雄策編』
松村 雄策編
2004年12月10日発売 文庫判■204頁(朝日文庫)
c0005419_19462976.jpg

by ichiro_ishikawa | 2004-12-10 19:48 | 文学 | Comments(0)  

エルヴィス・コステロ LIVE at 新宿厚生年金会館 速報!

 思いきりシンコペーティヴなボーカルアレンジで決めた3rd『Armed Forces』のオープニングチューン「Accidents Will Happen」で始まり、「Radio, Radio」「Blame It On Cain」「(I Don't Want To Go To) Chelsea」といった初期、70年代の曲から、「High Fidelity」、「Blood & Chocolate」といった中期、そして「13 Steps Lead Down」、「Sulky Girl」といった90年代のナンバー、そして最新作からは「Country Darkness」「Either Side Of The Same Town」、オーディエンスとのコール&レスポンスとなった「Monkey To Man」「The Delivery Man」「Bedlam」「Nothing Clings Like Ivy」、そして必殺の「There's A Story In Your Voice」を披露。普通、長いキャリアのミュージシャンは、初期〜中期あたりが最盛期で、ライヴでもその辺寄りの選曲を期待してしまうものだが、ことコスキヨに限っては、新作を聴きたいと思う。なぜなら常に最新作が最高傑作だから。時の経過によって全体を俯瞰する目を獲得してからはそれが最高かどうか変化はするが、少なくとも発売から1年間は最高傑作であり続ける。これはすごいことだ。だから、今回も新作からの曲を期待した。
 終始、ハイライトだったが、とりわけアカペラで始まった「I Can't Stand Up For Falling Down」ラスト「(What's So Funny 'bout) Peace, Love & Understanding」がヤバかった。「平和と愛と相互理解について歌って何がおかしい?」というポップ・ソングは、シニカルな傍観主義や、無反省な現状肯定主義、夢想に過ぎない理想主義などすべての意匠を疑ってみせる、エルヴィス・コステロというミュージシャンの核心だ。今回のライヴ、惜しむらくは、「Accidents〜」以降『Armed Forces』からの曲が1曲もなかったこと、アンコールが1回だけだったこと、永遠の第1位「Alison」「Everyday I Write The Book」「Pump It Up」をやってくれなかったことだ。まあ、名曲が200曲ぐらいあるからどうやったって2時間のライブではそうした不満は出るのだけれど。やっぱりコスキヨの場合、全公演を網羅するしかないな。

 来週の金曜には元ジ・アトラクションズにして現ジ・インポスターズのスティーヴ・ナイーヴが青山CAYでソロ・ライヴをやるとの知らせが。行くしかない。また、ソニック・ユースが3月にやってくるとは初耳。しかも日程がR.E.M.とドかぶり! ちなみに、ダン・ヒックス&ザ・ホット・リックスも2月に来日する。05年は、早々からライブ三昧にならざるを得ない。

コステロのいいwebsite

by ichiro_ishikawa | 2004-12-09 00:16 | 音楽 | Comments(3)  

休日のキャッチ−な買い物

ダブルポイント最終日のタワーで新作3点買い

●ニルヴァーナ「ニルヴァーナ・ボックス〜ウィズ・ザ・ライツ・アウト」
c0005419_23491698.jpg

●U2「ハウ・トゥ・ディスマントル・アン・アトミック・ボム」
c0005419_23555750.jpg


●エミネム「アンコール」
c0005419_23561225.jpg

by ichiro_ishikawa | 2004-12-06 23:57 | 音楽 | Comments(0)  

Julie Electroのフライヤー独占入手

c0005419_1950631.jpg

Julie Electro

by ichiro_ishikawa | 2004-12-03 19:51 | 音楽 | Comments(7)  

コスキヨ来日公演迫る

いよいよ来週となったコスキヨ来日公演。

コスキヨというと最近は「She」「Smile」のヒットにより、ミュージックフェアに出ちゃったり、『HITS』に収録されちゃったりしてAOR的な扱いをされているムキもあるようだが、毎年のように繰り広げている来日公演を見れば分かるように、そして毎年のように繰り出されるにニューアルバムを聴けば分かるように、『マイ・エイム・イズ・トゥルー』時代からそのパンク・ソウルはまったく変わっていないのだ。メロディ・メイカーとしてもとんでもないし、声はすげえし、ギターはオルタナティヴだし、何よりパンクだ。確かに肉体は衰えた。だがやっぱり、曲が出来ちゃってしょうがない、ライヴをしたくてたまらないというミュージシャンシップが凄い。そろそろ金が尽きたとか、顔を見せておかないととか、そういうフシはまったくうかがえない。ニュー・アルバムがその都度とんでもない、というのがその証左だ。

ニューアルバム
Delivery Man

c0005419_14261866.jpg


コスキヨこの1曲
■「Evryday I Write The Book」(from『Punch The Clock』)

c0005419_1426025.jpg

by ichiro_ishikawa | 2004-12-02 14:11 | 音楽 | Comments(0)  

ソウル概要の旅 終了

ブルーズ、ゴスペル、R&B,ソウルの世界を一通り歩いた。
 ロックに直接影響を与えたブラック・ミュージックという切り口なので、ディープな旅ではなく、一般的に名盤とされているものを大雑把に辿っていったことになる。
 やはり、ソウルフルな声と、黒人特有のリズム(特にドラムとベース)がグッとくるわけだけれど、白人層を掴んだ黒人サウンド、いわゆる西洋音階的なポップをメロディに取り入れているブラック・ミュージック。これが最高だった(ここにエレクトリックギターの歪みを拡張して加えたのがロックだ)。その意味で、ブルーズは、ギターやハーモニカ、ピアノの音の鳴り、そしてボーカル、佇まいはとてつもなくカッコいいけれど、音楽的には限界があった。瞬間芸であり、リピートにはさほど耐えない。たまに聴くならいい、といったところだ。マディ・ウォーターズでさえも。
 この世界にはまると普通のロックがちゃんちゃらおかしい子供騙しに見えてきて、かなりロックは淘汰される。ブラックミュージックという怪物にきちんと対峙したものでないと、それは女子供の玩具でしかない。その中でやはり、ビートルズ、とりわけジョン・レノンだけが、何をも凌駕して惨然と輝いていることを再確認した。
 というわけで、今日の名曲は、初期ジュリー・エレクトロが「レイン」と共にカバーしていたことでも知られる「ドント・レット・ミー・ダウン」をお送りします。

c0005419_2316371.jpg
(THE BEATLES『Past Masters Volume Two』M-10)

by ichiro_ishikawa | 2004-11-29 23:13 | 音楽 | Comments(0)  

最近聴いている名曲

■「Groovin'」The Young Rascals
すげえメロディと声。

収録アルバム
グルーヴィン
c0005419_23293421.jpg

by ichiro_ishikawa | 2004-11-24 23:17 | 音楽 | Comments(0)  

いい声、2人

■レイ・チャールズ
グレイテスト・ヒッツ
c0005419_23203975.jpg

■ダニー・ハサウェイ
These Songs for You, Live!
c0005419_2331047.jpg

by ichiro_ishikawa | 2004-11-19 23:18 | 音楽 | Comments(0)  

「ぼくが愛するロック名盤240」

■「ぼくが愛するロック名盤240」ピーター・バラカン

 てめえの経験(実体験から瑞々しい夢想まで含む)から直に感じたところを、なんら飾ることなくストレートに語り切っているというやり口が逆に批評的で、優れた読み物として成立させている。c0005419_23264495.jpgデヴィッド・ボウイやレッド・ゼペリンを挙げていないという断りや、ニール・ヤングが生理的に嫌いという告白も、てめえのフェイバリットを批判されているにも拘わらず、文章を通してバーター・ピラカンという人間に信頼がおけるから面白く読める。個人の内面の情熱から始まっているが、その情熱のほとばしりが半端でないので、単なる個人的カタログではなくなっている。ロックを愛したバーター・ピラカンという人間の一報告書でありながら、優れた作品になっている所以。

by ichiro_ishikawa | 2004-11-17 23:22 | 文学 | Comments(0)