突然出版「無敵のソクラテス」
『無敵のソクラテス』
新潮社 1月30日刊、税込定価2940円
唐突に出ていた。
公式サイト (池田晶子記念)わたくし、つまり Nobody賞によると、池田晶子「対話篇」作品(『帰ってきたソクラテス』、『悪妻に訊け 帰ってきたソクラテス』、『さよならクラテス』)の全貌を収めた完全版とのこと。従来のシリーズ本の内容に加えて、他書収載の数篇もすべてこの一冊に網羅し、各篇の配列を生前の著者の意図に準じて再編集した、とある。
おそらく、池田晶子作品中、もっとも読みやすいシリーズがこの対話編。ソクラテスが、今に生きる様々な市井の人々と「対話」する形式を取る。一般に「そうである」と思われている事や、正義としてまかり通っている何らかの「主張」を、ソクラテスが片っ端から順番に疑って行く、というやり取りが続く。言わば、池田晶子の「ソクラテスならこう言うね」だ。
by ichiro_ishikawa | 2010-02-07 00:52 | 文学 | Comments(1)