考える人
小学校初の給食。みそ汁が出た。具だけを食べて後は残した。家庭ではおそらくそうしていたのだろう。躊躇なく残した。
しかし片付ける段になり、汁の処遇に困った。思い切って大山先生に俺は問うた。
「この汁どうすれば?」
大山先生は「は?」という、6年間生きてきて初めて見た「何を言ってるの、こいつは?」という表情を俺に浴びせた後、言った。
「飲みますよ」
知らなんだ。みそ汁の汁を飲むとは知らなんだ。あれは具を食べるだけものじゃなかったのか?
俺はあの大山先生の「飲みますよ」の、人をバカにした顔がトラウマとなり、以来、人にモノを尋ねるのを恐れ、ひたすらてめえで考えるようになり、今に至る。
by ichiro_ishikawa | 2011-08-23 01:46 | 日々の泡 | Comments(0)