小林秀雄と短歌


 小林秀雄は、短歌について生涯ほとんど言及しておらず、唯一触れた「短歌について」でも、ただ、俺は伝統を愛する、のような味も素っ気もない短文で終わらせているに過ぎないのだが、これは、昭和初期当時、歌壇で実験や前衛、革新と、文学運動がかまびすしい中にあって、伝統を守ることが最も困難なのであって、実験や革新を行っている暇はない、無私なる古典を味わい、伝統を守ることにこそ、よほど意義があるという考えがあったからである。

by ichiro_ishikawa | 2012-03-15 23:54 | 文学 | Comments(0)  

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