短期集中連載 バッファロー・スプリングフィールド


バッファロー・スプリングフィールドを知つたのは20代前半。渋谷陽一『ロック―ベスト・アルバム・セレクション』(1988年、新潮文庫)とピーター・バラカン『魂(ソウル)のゆくえ』(1988年、新潮文庫)を熟読玩味しては、そこで紹介されてゐるレコードを1枚1枚丁寧に購入してゐた頃である。

そこでは確か2枚目の『アゲイン』が勧められてゐて、同時にはっぴいえんどの原点といふ情報を得て、伝説のバンドとして認知した。
しかし聴いてみたものの、しばらくはピンと来なかつたのを覚えてゐる。
はっぴいえんどの方が良かつたし、同時に同本で紹介されてゐたCS&N、ニール・ヤングのソロ及びCSN&Yの方がピンと来た(スティーブン・スティルズの『スーパーセッション』、その後のソロ、リッチー・フレイのPOCOは、さらにピンと来なかつた)。

それが、ボブ・ディランがピンと来たあたりから、バッファロー及びスティーブン・スティルズもピンと来るやうになり、一気にフェイヴァリットにまで上昇し、現在に至つてゐた。現在と言つても、ここ10数年は90%ジャズしか聴いてゐないため、心の故郷的にストックしてゐたに過ぎない。
それが再燃したのは、ごく最近、大滝詠一の1975年ごろのラジオ音源をYouTubeで聴き直したからである。

この大滝ラジオで特筆すべきことが2つある。
1つはリッチー・フレイの凄さが新たに分かつたこと。
1つは、大滝が、
バッファロー・スプリングフィールドが分かるまで時間がかかつた」
「Everydays」と「Four Days Gone」がなかなか分からなくて、「Forty Nine Reasons」を聴いて良さが分かつたら、前二者が好きになつた」
「スティーブン・スティルズは取つ付きにくかつたが、一旦中に入つちやうと離れがたい不思議な魅力がある」
的なことを言つてゐて、さうかさうなのか、とスティルズ作品をじつくり聞き直していつた結果、それまで聴こえてなかつた音が聴こえてきて、改めて分かつたこと、である。

考へてみれば、大滝詠一でさへもすぐには分からなかつたものを、俺ごときが分かつてゐたはずもない。
改めて分かつたとは、換言すれば、これまでは分かつてゐなかつたといふことだ。

バッファロー・スプリングフィールドの凄さ。
これをここ一年ぐらゐ、ずつと言葉にできずにゐて、当ブロムに綴つては書き換へし、ずつと下書きに保存してあつたのだが、あるとき細野晴臣の、
「得体の知れないかっこよさ」
といふ言葉に出会ひ、さういふことか、と分かつた。

大滝より一足先に分かつてゐて心酔してゐた細野も、バッファローには名状しがたいものを感じてゐた。

次稿にて、このあたりを名状していく。

by ichiro_ishikawa | 2018-11-20 20:14 | 音楽 | Comments(0)  

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