忘れ物と俺


俺が忘れ物王であることは、度々書いてきたし、もはや周知の事実だが、実は小林秀雄もさうであつた。

といふことを、新潮社の「webでも考える人」で連載中の池田雅延「随筆 小林秀雄」第55回にて、改めて知つた。池田雅延は「本居宣長」の編集者。

小林秀雄が、加齢で集中力がなくなつて物忘れをしなくなたつた、といふエピソードを紹介してゐる。
ふつう逆かと思ふだらうが、さうではない。集中力があるときは、ある事に集中しすぎて他のことをポンポン忘れる、といふのが小林秀雄の言はんとする意だ。
俺の物忘れもこれであらう。俺の集中力は衰へてはゐない。むしろ高まる一方である。と、忘れ物をするたびに自他に言ひ聞かせてゐる。


余談だが、最近小林秀雄を書いてゐないのは、この連載と「新潮」誌の連載、大澤信亮「小林秀雄」が現行動いてゐる以上、書くことがないからだ。
これまでも小林秀雄関連の連載や本は出続けてゐたが、上記二作以外は、読むと反論したい気も起こることがしばしあり、むしろ書く必要に駆られたものだが、件の二作には強い同意と新たな驚きしかない。
「小林秀雄」は第1部が終了し休載中。第2部のスタートが待たれてゐる。

by ichiro_ishikawa | 2019-04-18 14:51 | 日々の泡 | Comments(0)  

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