小林秀雄 20代までの生活年表
まづ、ざつと30代に入るまでの歩みをまとめる。
[小学校]〜12歳
小2で親への恩返しを誓い、小6で第一次世界大戦の原因と現状を分析し、打つた男。
[中高(今の中高大)]13〜22歳
府立第一中学校(五年制、現・日比谷高)に入学。
第一高等学校(東京大学教養学部の前身)入試に失敗し一浪。翌年、第一高等学校の合格発表前日に父親を亡くす。合格し4月に入学するも、母親が肺患し鎌倉に転地療養させる。自身も盲腸周囲炎と神経症のため休学。2年時に関東大震災。3年時に母親と同居を始め看病生活へ。
[帝大(今の大学院的な)]23〜25歳
翌年、東京帝国大学文学部仏蘭西文学科入学。春、神田をぶらぶら歩いてゐると向うからやつて来た見知らぬ男に、いきなり叩きのめされる。秋、中原中也の恋人長谷川泰子と出会ひ、奪ひ、11月から同棲。10月には盲腸炎(
[卒業後]26歳〜
泰子との生活にピリオドを打ち関西に逃走。約一年を大阪、京都、奈良で過ごす(この時の回想が20年後「秋」に結実)。
翌年、東京に戻り「様々なる意匠」を書き、本格的に批評家デビューを果たす。
1902年(明治35)
4月11日、東京市神田区神田猿楽町三丁目三番地(現千代田区猿楽町二丁目八番五号)❶に生まれる
父、小林豊造
1874年(明治7)兵庫県出石郡の清水家に生まれ、
1899年(明治32)、東京高等工業学校に付設された工業教員養成所の金工科を卒業し、
欧米各国に学び、
母、精子
明治13年、
1904(明治37)2歳
6月3日、牛込の納戸町にて妹富士子生まれる
1910年(明治43)8歳/小2
作文「おやのおん」
1914年(大正3年)12歳/小6
秋、学芸会で世界大戦の原因から現状を演説
1915年(大正4年)13歳/一中1年
3月 白金尋常小学校卒業
4月 東京府立第一中学校(現・都立日比谷高等学校)入学
芝区白金今里町七十七番地❷に住む
1917年(大正6年)15歳/一中3年
12月、父豊造、日本ダイヤモンド株式会社設立、専務取締役
1920年(大正9)18歳/浪人
3月 府立一中(五年制)卒業。一高入試に失敗、浪人
1921年(大正10)19歳/一高1年
3月20日 父豊造、四六歳で死没
3月21日 第一高等学校(東京大学教養学部等の前身)合格発表
4月 第一高等学校文科丙類(文学)入学。野球部入部後、すぐ退部。
10月 盲腸周囲炎と神経症のため休学
この年、母精子、肺患のため鎌倉に転地療養
1923(大正12)21歳/一高2年
9月1日 神田須田町❸で関東大震災に遭遇
9月6日 船と徒歩で鎌倉に療養中の母に会いに行く
1924年(大正13)22歳/一高3年
2月? 母と妹の三人で豊多摩郡杉並村馬橋226番地❹に転居
6月10日 「一ツの脳髄」を書き上げる
1925年(大正14)23歳/帝大1年
3月 第一高等学校卒業
4月 東京帝国大学文学部仏蘭西文学科入学
この頃か 神田の本屋でランボオの「地獄の季節」に初めて出会ふ
4月初め 富永太郎を通じて中原中也を知る
9月 中原中也の帰郷中に長谷川泰子に会う
10月8日 大島に旅行(泰子は待ち合わせに間に合わず)、帰京後盲腸炎(
11月下旬 杉並町天沼❺に長谷川泰子と同棲
1926年(大正15/昭和元)24歳/帝大2年
*鎌倉町長谷大仏前❻に住み、
2月 「佐藤春夫のヂレンマ」を文藝春秋に発表(初の商業誌掲載)
10月 「ランボオI」を「仏蘭西文学研究」に発表
1927年(昭和2)25歳/帝大3年
5月 初めての単行本『エドガー・ポー』を新しき村出版部より刊行
8月3日 大阪毎日新聞・東京日日新聞主催の第一回全国都市対抗野球大会が神宮球場で開催され、後の巨人の水原監督らとともに神奈川代表で出場。台湾の台北チームと戦う。(→「スポーツ」1959年1月)
9月? この頃目黒❼に住む
1928年(昭和3)26歳
2月 豊多摩郡中野町谷戸(東中野)❽に転居
3月 東京帝国大学卒業
5月25日 長谷川泰子と別れ、関西へ向かう❾
月末、大阪の日蓮宗の寺に宿坊する
6月 京都、奈良市の割烹旅館江戸三に宿泊、奈良市幸町の志賀直哉邸に出入り
9月 妹、富士子が高見澤(田河水泡)と結婚
10月20日 母が関西へ
11月17日 西村孝次と二月堂へ
1929年 (昭和4) 27歳
1月末 奈良より帰京し、東京府下滝野川町田端155番地➓に住む
4月 「改造」の懸賞論文のため「様々なる意匠」執筆、改造社社員の深田久弥に渡す 9月 「改造」の懸賞評論で「様々なる意匠」が第二席に
10月~ 『文学』(第一書房)同人に、ランボオ「地獄の季節」を創刊号から訳載
1930年(昭和5年)28歳
4月 『文藝春秋』で「アシルと亀の子」発表、以後文芸時評の連載開始
1931年(昭和6)29歳
*この頃、母とともに鎌倉町佐介通二〇八番地に転居 (11)
by ichiro_ishikawa | 2019-07-04 21:26 | 文学 | Comments(0)