とんねるずとダウンタウン比較年表 1982-94


とんねるずもダウンタウンも高卒ルーキーとして1年目から3割30本塁打のやうな活躍で、数年後には不動の4番バッターとなり、その後現在に至るまで、キングとして芸能界に君臨し続けてゐる。

しかし両者は同じ高卒でも2年の歳の差があり、したがつて最初は丁度2年分、とんねるずがリードしてゐた。ダウンタウンがとんねるずと並び2大カリスマとなつたのは1991年である。

ただ、頂点に上り詰めるまでに要した年数は、ほぼ同じであるところが興味深い。ターニングポイントとなつた代表作を追つて見てみる。

4-5年目、22-23歳
とんねるず 1983-84
●「オールナイトフジ」
ダウンタウン 1985-86
●2丁目劇場 

6年目、24歳
とんねるず 1985
●「夕焼けニャンニャン」
●「コラーッ!とんねるず」
●「雨の西麻布」
●「オールナイトニッポン」
ダウンタウン 1987
●「4時ですよーだ」

7年目、25歳
とんねるず 1986
・『お坊っチャマにはわかるまい!』
・『そろばんずく』
・特番「みなさんのおかげです 」
ダウンタウン 1988
・『夢で逢えたら』

8年目、26歳
とんねるず 1987
・「ねるとん紅鯨団」
ダウンタウン 1989
・「ガキの使いやあらへんで!」

9年目、27歳
とんねるず 1988
●「みなさんのおかげです 」
10年目、28歳
ダウンタウン 1991
●「ごっつええ感じ」

違ひといへば、
1)テレビと舞台
・主戦場が、とんねるずは最初からテレビであり、ダウンタウンは舞台である。
・テレビの特色としてバラエティ、特に時代的に、はちゃめちゃな騒ぎがその芸であつたのがとんねるずで、舞台で、漫才といふ伝統芸をみつちりやつてゐたのがダウンタウン。
・テレビ上、アイドルや俳優など様々な分野のタレントたちとしのぎを削つてきたのがとんねるずで、シビアな玄人芸人サークルのなかで切磋琢磨を続けてゐたのがダウンタウン。

2)音楽活動と漫才
レコードをチャート上位に乗せ、歌番組では本業の歌手らと対等に並び、武道館などホールコンサートを毎回超満員にしたとんねるず。かたやひたすら話芸を磨いていたダウンタウン。

3)東京と大阪
・東京が主戦場のとんねるずは最初から全国区、関西のダウンタウンは、まづ関西でトップに立ち、そして東京(全国区)進出といふ2段階を踏む必要があつた。

帝京高校の野球部、サッカー部出身のスポーツマン。高身長で、明るくおもしろく、お笑いだけでなく、歌に映画にとスターとして華々しく活躍したとんねるず。一方、漫才師、ベシャリのロープーとしてひたすら話芸を全うしてきたダウンタウン。

2021年現在、ベシャリの地力、基礎体力の強さで、いかに時代が激変しても不変的なニーズを満たしてなほトップに君臨するダウンタウン。ライズ&フォールといふスターの宿命を背負つたとんねるず。明暗がここにきて分かれてきたが、とんねるずにやはりロックを感じる。


以下、ダウンタウンを軸に、詳細にみていくことにする。※年の右の( )はダウンタウン。

1979年(高校1年)
とんねるず(高校3年〜卒業):『ぎんざNOW!』(TBS)、『TVジョッキー』(日本テレビ)「ザ・チャレンジ(素人お笑い勝ち抜きコーナー)」第3代チャンピオン・初代グランドチャンピオン(石橋)、第5代チャンピオン(木梨)。1980年3月『ドバドバ大爆弾』(テレビ東京)。石橋はホテルセンチュリーハイアット、木梨はダイハツ自動車に就職。

1980年(高校2年)
とんねるず(1年目、19歳):『お笑いスター誕生!!』(4週目で敗退。勤務先を退社しプロデビューへと意志を固め再挑戦、10週目で敗れる)、赤坂のクラブ「コルドンブルー」におぼん・こぼんの後釜として所属 。

1981年(高校3年)
とんねるず(2年目、20歳):貴明&憲武からとんねるずに改名し『お笑いスター誕生!!』ゴールデンルーキー賞の特別敢闘賞(事実上の第2位)、 『モーニングサラダ』(日本テレビ)、新宿御苑のパフォーマンスバー「昆」(後にKONと改名)に出演。8月25日「ピョン吉・ロックンロール」

1982年(1年目、19歳)
とんねるず(3年目、21歳):『お笑いスター誕生!!』、4月10日には10週目に合格、グランプリ。7月25日「ヤバシびっちな女(め)デイト・ナイト」

4月4日、NSC1期生として入学。
入学2ヶ月目でテレビ番組初出演となる『素人名人会』(毎日放送)にて名人賞を獲得。
その1ヵ月後には「第3回今宮子供えびすマンザイ新人コンクール」で福笑い大賞を受賞。 
「なんば花月」の公演に5日間特別出演。
8月、『笑ってる場合ですよ』の素人・アマチュア芸人の勝ち抜けコーナー「お笑い君こそスターだ!」に「まさし・ひとし」として出場し、5週勝ち抜きグランドチャンピオンに。
劇場で舞台を踏みながら「第13回NHK上方漫才コンテスト」 「第4回ABC漫才・落語新人コンクール」 に出場。

1983年(2年目、20歳)
とんねるず(4年目、22歳):所属する事務所を通さず友人の結婚式の司会をコンビで引き受け、事務所社長に激怒されテレビに出演できなくなる。12月、フジテレビ系の深夜番組『オールナイトフジ』を皮切りにテレビ復帰。

4月21日、阪急ファイブ8F・オレンジルームでハイヒール、銀次・政二と共にコントライブ「ごんたくれ」(全3回)の第1回公演を開催。
5月、喫茶店でたまたま開いた雑誌記事の文字から、コンビ名を「ダウンタウン」に改名。(それまでは「松本・浜田」、「まさし・ひとし」、「青空てるお・はるお」、「ライト兄弟」、「まさと&ひとし」など)
6月6日、なんば花月上席初出演

1984年(3年目、21歳)
とんねるず(5年目、23歳):1月、『オールナイトフジ』をトラブルで一旦降板。半年後の6月にレギュラーへ復帰。12月5日「一気!」

「第14回NHK上方漫才コンテスト」で優秀賞。「第5回ABC漫才・落語新人コンクール」で最優秀新人賞。
7月12日「心斎橋筋2丁目劇場 in 南海ホール」(通称「心劇」)を毎週末に開催。 

1985年(4年目、22歳)
6年目のとんねるずがマニアックな位置からメジャーのど真ん中で大爆走を始める。4年目のダウンタウンは舞台を中心に関西トップに踊りで始める。

とんねるずとんねるず(6年目、24歳):4月1日「夕やけニャンニャン」、4月21日「青年の主張」、7月7日「コラーッ!とんねるず」、9月5日「雨の西麻布」、10月15日「オールナイトニッポン」

5月、うめだ花月上席に出演し島田紳助にコンビ解散を決意させる。
秋、関西テレビ『今夜はねむれナイト』内の3分程度のコントコーナー「ダウンタウン劇場(シアター)」でテレビレギュラー番組を獲得。
ラジオ大阪『おっと!モモンガ』金曜日の司会者に。 
南海ホールでの定期ライブ「心斎橋筋2丁目劇場」 

1986年(5年目、23歳)
7年目のとんねるずが大爆発。若者のカリスマに。5年目のダウンタウンは2丁目劇場を中心に関西のカリスマになりつつあつた。

とんねるず(7年目、25歳):1月21日「歌謡曲」、4月15日『お坊っチャマにはわかるまい!』(- 7月22日、TBS)、5月28日「やぶさかでない」、8月5日「寝た子も起きる子守唄」、8月23日『そろばんずく』(東宝) 、10月21日「人情岬」、11月11日「火曜ワイスペ『とんねるずのみなさんのおかげです』」

5月16日、「心斎橋筋2丁目劇場」、吉本の常設劇場としてリニューアルオープン。 
8月6日、大阪城野外音楽堂で当時の2丁目劇場主要メンバーで「おさわがせ2丁目探険隊 来てもた大阪城」を開催。 

1987年(6年目、24歳)
8年目のとんねるずは破竹の勢い。ダウンタウンは6年目で、とんねるずにおける「夕ニャン」的な夕方帯をスタート。

とんねるず(8年目、26歳):2月25日「嵐のマッチョマン」、4月5日「迷惑でしょうが…」、4月13日「火曜ワイスペ『とんねるずのみなさんのおかげです』2」、6月5日「大きなお世話サマー」、9月17日「おらおら」、10月3日『ねるとん紅鯨団』、10月5日『ギョーカイ君が行く!』(-11月9日、フジテレビ)、10月13日「火曜ワイスペ『とんねるずのみなさんのおかげです』3」

4月6日、帯番組『4時ですよーだ』(毎日放送) 
9月27日、大阪厚生年金会館でコンサート「DOWNTOWN SCANDALS」 

1988年(7年目、25歳)
とんねるずが9年目でBIG3を抜き、芸能界のトップに立つ。関西ではすでにカリスマだつたダウンタウンは7年目で東京進出。ウッチャンナンチャンとのセットで深夜枠を確保。

とんねるず(9年目、27歳):2月25日「炎のエスカルゴ」、7月6日「YAZAWA」、10月13日『とんねるずのみなさんのおかげです』  

10月13日、『夢で逢えたら』(フジテレビ/関東ローカル、後に全国ネット)スタート。
2丁目劇場の東京公演「おでかけでっせ、ラフォーレまっせ」をラフォーレ原宿で不定期に開催。 

1989年(8年目、26歳)
とんねるずは勢い止まらずトップタレントとして安定期に。2年遅れのダウンタウンは、、とんねるず「コラとん」に相当する「ガキ使」スタート。

『森田一義アワー 笑っていいとも!』(フジテレビ)の月曜レギュラーに。 
9月29日、『4時ですよーだ』最終回
10月3日、『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』(日本テレビ/関東ローカル)放送開始  

1991年(10年目、28歳)
とんねるずが全国ゴールデン冠2本目「生ダラ」をスタートさせた年、ダウンタウンはとんねるず「みなおか」に相当する「ごっつ」をスタートさせ、芸能界のトップに並ぶ。ここから「とんねるず・ダウンタウン2大カリスマ時代」に突入。

とんねるず(12年目、30歳):10月、『とんねるずの生でダラダラいかせて!!』(日本テレビ)、『FNS歌謡祭』

4月、『世界の常識・非常識!』(フジテレビ)にレギュラー出演。 
12月8日、3度の特番放送を経て『ダウンタウンのごっつええ感じ』が放送開始

1993年(12年目、30歳)
10月21日、『ダウンタウンDX』

1994年(13年目、31歳)
10月17日、『HEY!HEY!HEY! MUSIC CHAMP』 



by ichiro_ishikawa | 2021-03-01 12:20 | お笑い | Comments(0)  

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