物の価値


ゲスの極み乙女。のギグに行きそびれた。
チケッツが当選してゐたが、忘れてた。
Googleカレンダーのプライベーツアカウントが2つあつたのを、1ヶ月ほど前に一本化し、一つはアカウントは残したまま非表示にした。そこに、それ以前に入れてゐたゲスの予定が隠されてしまつてゐたのだつた。
チケッツはデジタルで何かのアプリに開演1週間前に表示されるとかいふ仕組みで、そんなもの忘れるだらう。

黒革の手帖にペンで書き入れ、紙のチケットを手元に持つておけばこんなことにはならなかつた。デジタルの陥穽は、実在感の無さである。デジタルは概念である。概念はもろい。モノは身体的だ。実存がハンパねえ。

デジタル音源がハードディスクの破損によりぶつ飛んで以来、アナログレコード派になつた教訓が生かされなかつた。人間とはここまで愚かなものか。俺が愚かなのか。

書籍同様、やはりチケットは紙だ。
映画の半券を愛おしむといふ行為も大事だ。
半券からいかに豊穣な記憶が呼び覚まされることか。人間は物質的な存在でも在る以上、物質との交渉は不可欠だ。

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気づくと開演時間はおろか開演日を過ぎてゐた。

by ichiro_ishikawa | 2021-06-25 21:39 | 日々の泡 | Comments(0)  

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