2017年 12月 31日 ( 1 )

 

日本のジャズ史 戦前戦後


所用で吉祥寺に行つた帰路、「百年」なるセレクト古書店の前を通りかかり、「クサいな…いい本があつたらヤだな…」と思ひつつ入店。散財するわけには行かなかつたし、今年読み切れず年末年始に取つておいた本は既に30冊ほどたまつてゐたからこれ以上増えたらかなはない。
しかしクサい予感は的中、良書が山ほどある。中でも最もピンと来たのが、内田晃一著『日本のジャズ史 戦前戦後』(1976年、スイングジャーナル社)。
四六判上製布装463ページといふボリューム、超貴重な写真満載。目次を繰ると大正元年から始まり、全10章のうち5章分を戦前に割いてゐる。戦後ジャズ史に関する本は様々出回つてゐるし散々読んでもきたが、戦前をここまで詳しく解説した本はレア。
かなり経年劣化が激しいため、500円ならいいな…とおそるおそる値段をチェックすると、2,750円。
高い…。キツい…。
もしやネット古書店ではもつと安く買へるやもしれぬ、とiPhoneにてamazonと日本の古本屋をチェックすると、なんと10,000円であつた。
それが当店に於いては4分の1。これは買ひだ、といふことで、数年ぶりにリアル書店で本を購つた。

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いま第1章を読み終へたところだが、明治45年(1912年)7月20日、東洋汽船の地洋丸による北米航路、サンフランシスコ行きの船上演奏のために乗り込んだ東洋音楽学校(現東京音大)を出た波多野福太郎ら5名。彼らが帰国後サンフランシスコからジャズを持ち込んだのだといふ。

この記述だけですでにヤバい。1912年といへば本場アメリカでもジャズ黎明期。バディ・ボールデンの頃ではないか。オリジナル・ディキシーランド・ジャズ・バンドが、ジャズ初の商業用レコード、“Dixie Jass Band One Step”と“Livery Stable Blues”の2曲入りシングルをビクタートーキングマシンから発売したのが1917年だからその前である。ジャズといふよりカントリーブルーズ、マーチングバンドの頃だらう。最初の数行で胸がドキドキだ。
さらに大正のダンスホールへと続くのだが、そのあたりは近代文学に多く出てくる風俗描写と参照させあひながら読んでいかねばなるまい。









by ichiro_ishikawa | 2017-12-31 13:18 | 音楽 | Comments(1)