2019年 05月 15日 ( 1 )

 

『キャンティ物語』

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松任谷由実界隈漁りの一環で、
長編ノンフィクション『キャンティ物語』(1994刊、97文庫化)読了。
飯倉のレストラン、キャンティ創業者の川添浩史(1913-70)とその妻、梶子(1928-74)の伝記。松任谷由実はおそらく60末〜70年代初めにキャンティに出入りしてゐた。本書においては最後期に属するため、いつ出てくるかと思ひながら読み進めるも、結局登場せず。
しかし、かなり面白かつた。

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セカンド『MISSLIM』ジャケのグランドピアノは梶子のもの。梶子はアルバム録音直前に他界。


大正以降の文化的華やぎ、戦争で根絶やしにされた後の這い上がりによる文化の爛熟。
その時代の人たちの情熱と労働量は凄まじい。
特に昭和一桁生まれまでと、それ以降の生まれはタフさが違ふ。川添浩史、三島由紀夫、黛敏郎などからすると、ムッシュかまやつや川添象郎なんて二世の坊ちゃんだし、スパイダーズ田邊昭知(田辺エージェンシー社長)、ミッキーカーチス、加賀まりこなんてガキ。ユーミンなんて赤ちゃん。

しかし、三島、黛らにしてもその上には小林秀雄らが居るのだし、その上にも本居宣長とか柳田國男が居る。結局、遡れば遡るほど猛者が出てくる。つまり時代が下るにつれて人間は弱くなる、といふことだな。




by ichiro_ishikawa | 2019-05-15 21:36 | 文学と音楽 | Comments(0)