吉川晃司は1965年8月広島生まれ。修道高校を中退して上京、ナベプロ入り、高校でいふ卒業間際の3年の2月、18の時にシングルと映画主演といふダブルデビュー。
松田聖子は4学年上、1962年3月福岡生まれ。地元の高校から堀越学園に転校し、卒業後の4月1日に歌手デビュー(その前に脇役でドラマデビューしてゐる)。
共通点は多い。両者とも田舎から出てきて、19歳の学年での大手プロダクションからの肝入りデビューといふこと(当時のアイドルとしては少し遅い)、デビュー後いきなりトップに上り詰めたこと、数年でアイドルをやめ、吉川はロックユニット結成、松田聖子は結婚と、早々と第二の道を歩み出したこと、そして現在に至るまで第一線に君臨し、吉川晃司、松田聖子といふ名前をもはやジャンル化してゐること。
以下、デビュー以来の年別シングルで歩みを見てゆく。
デビュー年 18〜19歳
ともに一季節に1枚シングルをリリース。吉川は1984年の日本歌謡大賞最優秀新人賞、日本アカデミー賞新人賞など歌手と俳優の両部門で8つの新人賞を独占。1985年のはじめに、デビュー1年目では史上2人目の日本武道館公演。初期に行はれた学園祭コンサートでは体育館の緞帳にぶら下がり破いてしまひ弁済金は1,000万円。
楽曲はともに大村雅朗が編曲を担当。デビュー曲の作詞も共に三浦徳子。
1984年2月1日
モニカ
作詞:三浦徳子/作曲:NOBODY/編曲: 大村雅朗
同年2月11日公開の主演映画『すかんぴんウォーク』の主題歌
1980年4月1日
裸足の季節
作詞:三浦徳子/作曲:小田裕一郎/編曲:信田かずお
1984年6月1日
サヨナラは八月のララバイ
作詞:売野雅勇/作曲:NOBODY/編曲:大村雅朗
1980年7月1日
青い珊瑚礁
作詞:三浦徳子/作曲:小田裕一郎/編曲:大村雅朗
1984年9月10日
ラ・ヴィアンローズ
作詞:売野雅勇/作曲:大沢誉志幸/編曲:大村雅朗
1980年10月1日
風は秋色/Eighteen
作詞:三浦徳子/作曲:小田裕一郎/編曲:信田かずお
1985年1月11日
You Gotta Chance 〜ダンスで夏を抱きしめて〜
作詞:麻生圭子/作曲:NOBODY/編曲:大村雅朗
1981年1月21日
チェリーブラッサム
作詞:三浦徳子/作曲:財津和夫/編曲:大村雅朗
2年目 19〜20歳
共に2年目のジンクスなどなんのその、さらなるヒットを飛ばし続けアイドルとして圧倒的なトップスターの地位を確立。
松田聖子は松本隆と組み、大滝詠一、松任谷由実などを作曲陣に得て音楽的精度を高めてゆく。
一方、吉川は暮れにNHK紅白歌合戦に出場した際、曲終はりにステージからギターを燃やして出禁に。布袋寅泰がギターで参加するなど公私ともに、他にBOØWY、尾崎豊、大澤誉志幸らロック畑との交流を始める。編曲は大村雅朗から後藤次利へ。
1981年4月21日
夏の扉
作詞:三浦徳子/作曲:財津和夫/編曲:大村雅朗
1985年4月23日
にくまれそうなNEWフェイス
作詞:安藤秀樹/作曲:NOBODY/編曲:後藤次利
1981年7月21日
白いパラソル
作詞:松本隆/作曲:財津和夫/編曲:大村雅朗
1985年9月25日
RAIN-DANCEがきこえる
作詞:安藤秀樹/作曲:佐藤健/編曲:後藤次利
1981年10月7日
風立ちぬ
作詞:松本隆/作曲:大瀧詠一/編曲:多羅尾伴内、ストリングスアレンジ:井上鑑
1986年1月1日
キャンドルの瞳
作詞:安藤秀樹/作曲:原田真二/編曲:後藤次利
1982年1月21日
赤いスイートピー
作詞:松本隆/作曲:呉田軽穂/編曲:松任谷正隆
作詞・作曲:吉川晃司/編曲:後藤次利
3年目 20〜21歳
松田聖子は松本隆+松任谷由実の布陣で大ヒット連発。不動のトップアイドルの地位を固める。一方、吉川はロック路線へつき進み、自作自演傾向を強め、レコード売り上げは低迷。
1982年4月21日
渚のバルコニー
作詞:松本隆/作曲:呉田軽穂/編曲:松任谷正隆
1986年6月21日
NERVOUS VENUS/Psychedelic Hip 12inch
作詞・作曲:吉川晃司/編曲:後藤次利
1982年7月21日
小麦色のマーメイド
作詞:松本隆/作曲:呉田軽穂/編曲:松任谷正隆
1986年9月30日
すべてはこの夜に
作詞・作曲:佐野元春/編曲:西平彰
1982年10月21日
野ばらのエチュード
作詞:松本隆/作曲:財津和夫/編曲:大村雅朗
1983年2月3日
秘密の花園
作詞:松本隆/作曲:呉田軽穂/編曲:松任谷正隆
作詞・作曲:吉川晃司/編曲:松本晃彦
4年目 21〜22歳
松田聖子は松本隆、細野晴臣、松任谷由実、松任谷正隆、大村雅朗といふ超強力布陣にて大人路線でのヒットを続出。中森明菜や小泉今日子が追随してくる。
吉川はいよいよアイドル活動がいやになり、独立をナベプロ社長の渡辺晋に懇願。承諾を得るが条件として、日本・イタリア合作映画『シャタラー』に出演する。しかし撮影途中に渡辺は亡くなる。
1983年4月27日
天国のキッス
作詞:松本隆/作曲・編曲:細野晴臣
1987年6月5日
終わらないSun Set
作詞・作曲:吉川晃司/編曲:松本晃彦
1983年8月1日
ガラスの林檎
作詞:松本隆/作曲:細野晴臣/編曲:細野晴臣・大村雅朗
1983年8月1日
SWEET MEMORIES
作詞:松本隆/作曲・編曲:大村雅朗
瞳はダイアモンド/蒼いフォトグラフ
作詞:松本隆/作曲:呉田軽穂/編曲:松任谷正隆
1987年11月21日
HOT LIPS(プロモーション盤のみ)
作詞・作曲:吉川晃司/編曲:清水信之
1984年2月1日
Rock'n Rouge
作詞:松本隆/作曲:呉田軽穂/編曲:松任谷正隆
作詞:吉川晃司/作曲:村松邦男/編曲:清水信之
5年目 22〜23歳
中森明菜、小泉今日子急追も、松田聖子は相変はらずの強力スタッフにも支へられ、まだトップをキープ。吉川は事務所を独立し、充電。ブラウン管から消える。COMPLEXの準備へ。
1984年5月10日
時間の国のアリス/夏服のイヴ
作詞:松本隆/作曲:呉田軽穂/編曲:大村雅朗
1984年8月1日
ピンクのモーツァルト
作詞:松本隆/作曲:細野晴臣/編曲:細野晴臣・松任谷正隆
1984年11月1日
ハートのイアリング
作詞:松本隆/作曲:Holland Rose(佐野元春)/編曲:大村雅朗
1985年1月30日
天使のウィンク
作詞・作曲:尾崎亜美/編曲:大村雅朗
23〜24歳 6年目
松田聖子は結婚へ。吉川は布袋寅泰と組み念願のロック化。第二章のスタート。
1989年4月8日
BE MY BABY(COMPLEX)
作詞:吉川晃司/作曲・編曲:布袋寅泰
1985年5月9日
ボーイの季節
作詞・作曲:尾崎亜美/編曲:大村雅朗
1990年3月14日
1990(COMPLEX)
作詞:吉川晃司/作曲・編曲:布袋寅泰